【聞きたい。】鈴木のりたけさん 『大ピンチを楽しむ』

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大ピンチを楽しむ

『大ピンチを楽しむ』

著者
鈴木 のりたけ [著、イラスト]/草刈 大介 [企画・原案]
出版社
ブルーシープ
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784908356766
発売日
2025/09/22
価格
1,980円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【聞きたい。】鈴木のりたけさん 『大ピンチを楽しむ』

[文] 産経新聞社


鈴木のりたけさん

■作家の芽生え、中1の日記に

誕生日ケーキが倒れそうになり大慌てするなど、子供が日常で直面するピンチをユーモラスに描いた絵本『大ピンチずかん』シリーズ(小学館)の作者。『大ピンチずかん3』は今年上半期ベストセラー総合1位(日販調べ)に。テレビ番組『徹子の部屋』に呼ばれるなど社会現象にもなっている。創作の裏側や自身の歩みを明かした本書は初の絵本以外の著作だ。

2男1女の父。累計275万部のシリーズは、わが子のドジな瞬間やおもしろい言い間違いを記録していたスマートフォンのメモから生まれた。髪の毛がピンとはねている主人公のモデルは次男だ。

令和4年に1作目が発売されると増刷が重なり、テレビで紹介された。出演者が自分のピンチを話し合い盛り上がっていたのを見て、自分でも不思議だったヒットの理由を知る。「ピンチを自分ごとに引き寄せる『共感力』と、似たようなピンチを思いつかせる『連鎖させる力』がある。本から飛び出して読者が楽しみを広げることができる」と。『4』を心待ちにしている子供たちからは「自分の大ピンチを使って」との手紙が多数届いているという。

中学1年時の国語の先生と37年ぶりに9月に再会した。その先生の日記の指導が「創作の原点」。毎日全員に日記を書かせた先生は金曜日におもしろい日記を選び読み上げてくれた。クラス中の笑顔を想像して毎晩眠い目をこすりながら日記を書いた。「みんなを引き付けて楽しい気持ちになるものを作りたい。先生には作家としての芽生えのきっかけを与えてもらった。『大ピンチずかん』ではその心がけがドハマリした」

「ドハマリ」しなかったのは新卒後の仕事。研修を終えた後の1年9カ月でJR東海を辞めた。新幹線の運転免許を取得し営業運行する経験もしたが、堅実な社風に「学校の延長のようだ」と辟易(へきえき)し「手触りのある仕事をしたい」と退社。グラフィックデザイナーを経て17年前、絵本作家としてデビューした。

以来、子供の遊びの選択肢としてサッカーやゲームと比肩できるほど絵本を「強いコンテンツにする」ことが目標だ。(ブルーシープ・1980円)

斎藤浩

   ◇

【プロフィル】鈴木のりたけ

すずき・のりたけ 絵本作家。昭和50年、静岡県生まれ。一橋大卒。『しごとば 東京スカイツリー』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞。新刊に『きれてる』(ポプラ社)。

産経新聞
2025年10月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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