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不器用で繊細な思春期。苦痛をともなう友人関係に答えをくれる成長小説3冊
[レビュアー] 瀧井朝世(ライター)

※画像はイメージ
昨今、子供の心身に深刻な悪影響を及ぼす親を指す“毒親”という言葉はすっかり定着した感がある。ではもしかすると、友達関係でも“毒友”が存在するのではないか。そう気づかせるのが、砂村かいりの『苺飴には毒がある』だ。
高校生の寿美子には、れいちゃんという幼馴染みがいる。悪口と噂話が好きで無神経な彼女に閉口することもあるし、寿美子自身が傷つけられることもある。でも、一緒にいて楽しい時もあり、憎みきれない。そんなある時、寿美子は、彼女が他の子たちには、自分の悪口を吹聴していると気づいて……。
内気でお人よしで他人に振り回されることが多い人には、寿美子の気持ちが痛いほどわかるのでは。だからこそ、終盤になって彼女が下す決断に、はっとさせられるはず。苦痛をともなう友人関係に対して、きちんと答えを出してくれる成長小説だ。
真下みことの『わたしの結び目』(幻冬舎文庫)もまた少女二人の物語。中学二年生の小林里香は、転校先のクラスで浮いている彩名と親しくなる。なぜか彼女は周囲から嘘つき呼ばわりされ、敬遠されている様子。里香は前の学校では学級委員を務めており、そうした子を放っておけないのだ。しかし次第に、彩名の里香への執着が激しくなっていく。二人の間にあるのは友情というより、友達という存在を介して自己肯定感を高めたい欲求だけな気がするが、不器用で繊細な思春期の友人関係に、そうした側面があるのはうなずける。だが、やがて二人の関係は変化する。他の生徒たちの相関関係、教師の無神経さなど教室内の様子も非常にリアル。
柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文春文庫)は大人の友情物語。大手商社で働く栄利子は、記事を愛読していた主婦ブロガーの翔子と偶然出会って親しくなる。じつは二人とも、女友達を作るのが苦手な性格で、彼女たちの仲は思わぬ変化を遂げていく。
3冊とも相手のすべてを受け入れることが友情の証ではない、と心底思わされる。反面教師的友達小説だ。























