「幕府」とは何か。信長、秀吉でなく鎌倉・室町・江戸の3政権のみ「幕府」とされるのはなぜか。本書は「幕府」という用語への問いかけを通し、日本近代史がたどってきた変遷を描き出す。
「幕府」は江戸後期、「武家政権」を表す用語として登場したが明治初期の歴史家、田口卯吉が「鎌倉政府」と記すなど定着しなかった。そして「幕府」は、武家政権を否定する王政復古で誕生し、アカデミズムでも脱亜入欧を目指す明治国家のもとで再定義されていく。天皇と武家との歴史的な因縁に彩られた「幕府」を、中世武士論の専門家が検証する。(講談社選書メチエ・1870円)

-
2025年11月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
