午後の集中力をグッと高めたいとき、ランチに魚料理を食べるといい理由

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集中メシ!

『集中メシ!』

著者
水野雅浩 [著]
出版社
すばる舎
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784799113509
発売日
2025/10/27
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【毎日書評】午後の集中力をグッと高めたいとき、ランチに魚料理を食べるといい理由

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

著者は『集中メシ!』(水野雅浩 著、すばる舎)を、集中力を必要とする人に読んでほしいのだそうです。たとえば第一線で活躍するすべてのビジネスパーソンは、まさにその範疇にあるといえるでしょう。

そしてタイトルからもわかるように、本書で提案しているのは「“食事の選択”こそが集中力を上げるもっとも身近でもっとも有力な方法である」ということなのだとか。食生活が乱れていたら、よい仕事などできるわけがないというわけです。

では、「集中メシ」を生活に取り入れると、どのような変化が感じられるのでしょうか? この問いに対して、著者は次のように述べています。

朝は、「ぼーっとした状態」から、「すっきり起きられる頭」へ。

午前中は、「ガス欠でやる気が起きない状態」から、「シャキッと冴えた頭」へ。

午後は、「眠気で思考がまとまらない状態」から、「集中力が続く状態」へ。

夜は、「脳が興奮して寝つけない状態」から「深く眠れる状態」へ。

(「はじめに すべての『集中力』を必要とする人へ」より)

これらが実現できるのであれば、ビジネスパーソンは無理をせずに仕事の成果を上げることができるようになるはず。また、資格試験のための勉強にも集中でき、合格率も上がるかもしれません。

つまり、集中メシはあなたの目標や夢を叶える食事戦略なのです。(「はじめに すべての『集中力』を必要とする人へ」より)

きょうは第1章「脳の回転を良くするには『アブラ』が必要だ」に注目してみることにしましょう。

脳は6割がアブラ。しかも加齢とともに減少する

脳の働きを高めるために必要なのは、良質なアブラ。脳は約80%の水分で満たされていますが、その水分を除くと約60%がアブラ(脂質)で構成されているのだそうです。

なぜこれほど多量のアブラが脳内に存在するのかといえば、脳には、1000億個もの神経細胞が存在し、この地球25周分の脳内ネットワークをつなぐすべての神経細胞がアブラの膜で覆われているから。

まさに、アブラが潤滑油の役割を果たし、最大秒速120mという速さで、脳内の情報伝達をスムーズに機能させています。脳の回転を良くするためには良質なアブラが必要不可欠なのです。(52ページより)

そして、脳の働きを支える油として注目されているのが、魚に多く含まれるDHA・EPAといったオメガ3脂肪酸。これらには年齢とともに低下しがちな記憶力、注意力、判断力をサポートする効果があることが、さまざまな研究から明らかになっているのだといいます。

したがって、脳の健康を保つためには、日常的に魚介類などからオメガ3脂肪酸を摂取することが大切。記憶に関わる海馬は脳のなかでも萎縮しやすい部分なので、これらを食事に加えることが大きな意味を持つわけです。

そして何より重要なことは、このように脳を回すアブラであるオメガ3脂肪酸は、体内では作り出すことができないということ。これらは、毎日の食事から継続的に摂取する必要があります。(54ページより)

さらに加齢とともに脳内のオメガ3脂肪酸は不足していき、記憶力、注意力、判断力の低下にもつながるようです。とはいえ良質のアブラを摂取することは、年齢に限らず意識すべきことでもあります。若年層でも肉類中心の生活を続け、魚の摂取が減っている人は、すでに脳内のアブラが不足している可能性もあるのだといいます。

ノルウェーでは、健康習慣として毎朝スプーン一杯のフィッシュオイルを飲むことが当たり前になっています。この習慣は1850年代まで遡り、魚油が脳の健康だけでなく、免疫力向上、うつ病対策、心臓、血管の健康維持に効果があり、ノルウェーの家庭では子どもから、働き盛りの大人、高齢者まで欠かせないものです」(55ページより)

これは、著者が「ブレインケアとしてのオメガ3脂肪酸」をテーマに対談した際の、在日ノルウェー大使館のアネッテ・山本ハンセンさんのことばだそうです。(52ページより)

月・水・金のランチは、魚定食でDHA摂取をルーティンに

DHAを含む魚介類は、集中力を高める食事に欠かせない食材。しかし、日本の家庭でそれらが食卓に登場するのは、週に2回程度が平均。一方、ビジネスパーソンを対象にしたセミナーなどで、著者は「月、水、金の週3回は魚料理を一品食べる」ことを推奨しているそう。

第一の理由は、魚介類を週に2回以上食べることで集中力が高まること。思考力や記憶力の向上による集中、さらには認知症対策などさまざまな効果が得られるというのです。

第二の理由は、午後からのパフォーマンス向上。著者のもとには「週3回、魚を食べることを実践してから、格段に調子がよくなった」というビジネスパーソンからの声が届いているといいますが、その理由としては「脳神経の神経伝達が活発になり、頭の回転が早くなった」可能性が考えられるそうです。

第三の理由は、メンタルの健康。ストレスやプレッシャーが強い場面でも高い集中力を発揮するためには、心の安定が重要。DHAは、心の健康まで守ってくれるということのようです。

では、ランチの魚定食とは具体的に何を食べればよいのでしょうか? 基本的には魚が含まれていれば何でもOKです。焼き魚、海鮮パスタ、海鮮チゲ、シーフードカレーなど、自由に楽しんでください。(59ページより)

DHAが多く含まれる青魚を、なるべく生で食べたほうがよいともいわれますし、それは事実であるようです。ただし、あまり窮屈だと食事の楽しみが減ってしまうので、気軽にチョイスすればいいのです。(56ページより)

最新研究のエビデンスを重視しつつ、日常生活で取り入れやすい食材や食事スタイルにフォーカスした画期的な一冊。ビジネススキルを高めるためにも、活用してみる価値は大いにありそうです。

著者紹介:印南敦史

作家、書評家、音楽評論家。1962年東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ライフハッカー・ジャパン」で書評連載を担当するようになって以降、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間700冊以上の読書量を誇る。「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」などのサイトでも書評を執筆するほか、「文春オンライン」「qobuz」などにもエッセイを寄稿。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちにPHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)など多数。最新刊は『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』(光文社新書)。@innamix/X

Source: すばる舎

メディアジーン lifehacker
2025年11月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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