『インドの奇跡 マルチ・スズキ不可能への挑戦』
- 著者
- R・C・バルガバ [著]
- 出版社
- 日経BP 日本経済新聞出版
- ジャンル
- 社会科学/経営
- ISBN
- 9784296116553
- 発売日
- 2025/10/28
- 価格
- 2,640円(税込)
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スズキはなぜインドで大成功を?立役者が明かす苦労、工夫、カイゼン
[レビュアー] 林操(コラムニスト)

インド累計販売台数トップ車種は「アルト」(※スズキの公式HPより)
乗用車の世界販売台数でスズキがニッポン勢第3位に躍り出た。萎む国内で割安かつ元気なクルマを出せてることもデカいが、伸びるインドで大人気なこともデカい。24年度の生産台数は国内99万台でインド210万台。主戦場はもうアッチなのよ。
そのインドはもはや生産台数で中・米・日に次ぐ世界4位、販売台数でニッポンを凌ぐ3位。そこでスズキは4割ものシェアを握る文句なしのトップゆえ、インドが自動車大国になれたのもスズキのおかげと言えそうなくらいの勢いなんです。
では、このスズキのインドでの大成功の理由は一体どこに? “スズキの大親分”こと鈴木修も、ベストセラーになった自伝の『俺は、中小企業のおやじ』で1章をインドに割いてたけれど、あれから15年以上。インドでスズキがさらにデカくなった今、インド側の“大親分”による回顧と分析が登場しました。
R・C・バルガバは印米で修士号を2つ取った元キャリア官僚。創業家に見込まれて婿入りした元相銀マンの鈴木とは対照的ながら、去年94歳で亡くなる3年前まで会長を務めた鈴木と同様、著者も91歳の今なおマルチ・スズキ・インディア会長。
80年代に新興の国営メーカーに移って合弁相手にスズキを迎え、仲間であり師匠となる「オサムさん」とともに、社会主義時代や英国植民地時代、それ以前の遺風さえ色濃いインドに、ニッポン型のものづくりとサービスとをインド型へとカイゼンしながら根付かせていく――。
組み立てラインから従業員トイレ、ディーラー網から政治にまで拡がる苦労と工夫の40年超は、長いのに飽きないインド映画のようでもあり、この本、ビジネススクールの教科書かと思い込んだら損します。異文化の共生、のみならず、共生による進化の道までが見えてくるゆえ、インドともビジネスとも関係なく、古い界隈に新しい空気を入れるのに悩んでるアナタにこそ、役立つんでね。


























