『落とされなかった原爆――投下候補地の戦後史』
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『落とされなかった原爆』鈴木裕貴著
[レビュアー] 産経新聞社
戦後80年が過ぎ、戦争体験とともに原爆投下による被爆体験の継承も課題となっている。本書は実際に原爆が投下された広島・長崎ではなく、原爆投下候補地となっていた小倉・新潟・横浜・京都の4都市で、「落とされなかった原爆」への想像力が戦後どのように形成されていったのかを探る。
原爆を搭載したB29が目撃された小倉や、広島への投下後に知事布告で一斉疎開が起きた新潟など、原爆に対する当事者意識はいずれも郷土史の探究から生まれている。具体的な文脈を持たない「われらみなヒバクシャ」というスローガンの危うさを説く一冊でもある。(中公選書・2200円)


























