『だから夜は明るい』
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中井大×君嶋彼方・対談「こうして僕は彼に恋した」
[文] 新潮社

作家の君嶋彼方さん(左)とインフルエンサー・モデル・俳優として活動する中井大さん(右)
Netflixの恋愛リアリティショー「ボーイフレンド」への出演をきっかけに、世界中の注目を集めた中井大さん。
番組でカップル成立となった中西瞬さんとは、放送終了後から同棲生活をスタートさせ、いまも2人の時間を育んでいるという。
その中井さんが、「とにかく恥ずかしくなるくらい、全部がリアルだった」と共感を寄せた作品がある。
『君の顔では泣けない』でデビューした君嶋彼方さんによる小説『だから夜は明るい』(新潮社)。幸せのただ中に立ちながらも、消えない不安と罪悪感を抱えるゲイの文也と、異性愛者の祥太の恋の行方を追った物語だ。
元恋人、友人、父親など、様々な角度から現代の「同性愛」のありようを描いた本作は、なぜ中井さんの胸を強く打ったのか?
作者の君嶋さんに、中井さんが当事者としての想いを明かしながら、小説の魅力を語った対談をお届けする。
【全2回(前編/後編)の前編】
恥ずかしくなるくらい全部がリアル
中井大(以下、中井):今回は素敵な機会をいただいてありがとうございました。ものすごくのめり込んで、読ませてもらいました。
君嶋彼方(以下、君嶋):ありがとうございます! 本を読むことがお好きかどうかもわからないまま依頼してしまって……でも楽しんでもらえたならよかった。
中井:実際、小説を読むのはとても久しぶりでした。最初は「対談に間に合わせなきゃ」という気持ちで読み始めたんですけど、数ページめくったら手が止まらなくなっちゃって、一気に読んじゃいました。読み終えたときは、「え、次なにを楽しみにすればいいの?」って、連ドラが終わったときみたいな喪失感に包まれちゃって。
君嶋:すごく嬉しいです。同性愛というテーマを、当事者である大さんにどう受け取ってもらえるか、ドキドキしてたので。
中井:同性愛をテーマにしている作品で、こんなふうに共感だらけのものに出会ったのは初めてです。それがすごく嬉しかったし、同時に、やばい! と思いました。
君嶋:やばい?
中井:同性愛者のリアルな生活みたいなものが、バレてる! と思ったんです。とにかく恥ずかしくなるくらい、全部がリアルだったから。
君嶋:それならよかった(笑)。僕自身は異性愛者で、物語の中で起きることのほとんどは想像で書いているので、ちゃんと書けているのかとずっと不安で。
中井:想像であそこまで書けちゃうなんて、本当にすごいです……。
君嶋:もちろん、自分が恋人と一緒に暮らしていたときの実体験を織り込んだりしてるから、100%想像とは言い切れないですけど、やっぱりどうしても僕には男性同士の恋愛の根幹を理解し切れないだろうと思うし……。当事者の方が読んで、「こういう書き方をされると困るな」なんて思われてしまったらすごく申し訳ないなとも感じてましたね。

中井大さん
同性同士だからこそ味わえる楽しさ
中井:そもそもどうして、男性同士の恋愛をテーマに作品を書こうと思われたんですか。
君嶋:きっかけは一度、同性愛者が出てくる短編を書いたことです。その作品を書き終えたとき、もっとちゃんとこのテーマを書きたいなと思って。同性愛にまつわる作品って、辛さや偏見をメインに据えて描かれるイメージがあったんですけど、実際に自分で小説に書いてみたら、それだけじゃないなって感じたんですよ。そういった苦しみと同じくらい、同性同士だからこそ味わえる楽しさや幸せもいっぱいあるんじゃないかなって。
中井:正直意識したことがないけれど……でも確かに、言われてみたらたくさんある気がします。例えば温泉に行ったら、大浴場までずっと一緒にいられますし、二人でスポーツをするのも楽しいですよね。物理的な体力差がないから、手加減なしで取り組めるのが嬉しくて。僕は今、(恋愛リアリティ番組の)「ボーイフレンド」で出会った瞬とずっとお付き合いをしてるんですけど、彼ともよく一緒に体を動かします。
君嶋:いいですね! 男女のカップルだとそういうのなかなかできないですからね。
中井:あと、洋服のシェアも当たり前かも。自分では手を出せない洋服でも、恋人が興味を持ってたら、「買いなよ!」って後押ししちゃいます。で、買った服を勝手に借りる(笑)。
君嶋:あはは、やっぱ楽しそうだな~。素直に羨ましいです。
中井:全部日常の一コマだから、考えたこともなかったけれど、男性同士だから楽しめるものって、実はたくさんあると思います。



























