『現代ストリップ入門』
- 著者
- 武藤 大祐 [著、編集]/夏堀 うさぎ [著、編集]
- 出版社
- 書肆侃侃房
- ジャンル
- 芸術・生活/音楽・舞踊
- ISBN
- 9784863857056
- 発売日
- 2025/10/16
- 価格
- 2,530円(税込)
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<書評>『現代ストリップ入門』武藤大祐、夏堀うさぎ 編著
[レビュアー] ひらりさ(文筆家)
◆主体的に身体を受け入れる
この1年、ストリップ鑑賞にハマっていた。友人に連れて行かれて、一気に魅了されたのだ。毎月劇場に足を運び、3千円(女性料金)を払って、女性の踊り子が音楽に合わせて服を脱いでいくのを眺めている。ハマって驚いたのは、他にも女性客が一定数いること。2020年代のストリップ劇場は「男性のための性風俗」というイメージとはかなり異なる場所なのだ。
新たな盛り上がりを見せているストリップ文化が気になったあなたに薦めたいのが本書。武藤と、ストリップのZINE(自主制作の小冊子)を刊行する夏堀がタッグを組み、踊り子へのインタビュー、各専門家の論考、劇場の密着レポートなど多様なテクスト、漫画、写真を通じてストリップの現在を映し出す。
特筆したいのはやはり、夏堀が提示する、ジェンダー・フェミニズムの視点だ。「ロリ」や「巨乳」など、男性の好みに合わせた「タグづけ」で女性の体が徹底的に客体化された現代社会において、自分の体を主体的に受け入れ直す契機になったのがストリップだったという夏堀の言葉は、女性を取り巻く抑圧を見事にすくいとっている。
他方、ステージで日々裸体を晒(さら)す踊り子の言葉にもグッときた。「未来のために生きるのをやめた感はありますね。(中略)十年後、二十年後、同じように働いて同じように収入があるかといえば、決してそうではないでしょう。でも別に何の対策も考えてないし、何のプランもない。老後の年金がどうこうとかも『知るか』と」(宇佐美なつ)
老朽化や風営法の制限で全国で17館まで減少したストリップ劇場を生計の場とし、警察の恣意(しい)的な摘発のリスクにもさらされている彼女たちは、それでも不思議とあっけらかんとしている。理由ははっきりしている。自分の信じる道を歩み、楽しんでいるからだろう。
ストリップは性風俗でありエンタメであり文化であるとともに、労働であり、生き様なのだ。
ストリップの万華鏡のような魅力が、凝縮された一冊だ。
(書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)・2530円)
武藤 ダンス批評家。
夏堀 ZINE「イルミナ」を刊行。
◆もう1冊
『彼女は裸で踊ってる』(1)(2)岡藤(おかふじ)真依著(モーニングKC)


























