日本人の「2人に1人」がかかる「がん」…診断されたら「最初に手にとるガイド」を国立がん研究センターが最新版に改訂

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国立がん研究センターのがんになったら手にとるガイド

『国立がん研究センターのがんになったら手にとるガイド』

著者
国立がん研究センター がん対策研究所 [著]
出版社
小学館クリエイティブ
ジャンル
自然科学/医学・歯学・薬学
ISBN
9784778036508
発売日
2025/12/12
価格
1,210円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

12年ぶりに改訂された「困ったときに最初に手にとるマニュアル」

[レビュアー] 東えりか(書評家・HONZ副代表)


※画像はイメージ

 2006年に「がん対策基本法」が成立してから20年。この間、患者数は増加しているが、検査や治療も格段に進歩した。だが1981年以降、がんは常に日本人の死因の1位である。2016年には年間の罹患者が100万人を超え、国民の二人に一人ががんにかかるとまで言われている。まさに国民病たる所以だ。

 がんが恐ろしいのは、具合が悪いと自覚したときは手遅れの場合が多いからだ。だから健康診断による早期発見・早期治療が推奨される。

 では「がん」と診断されたらどうしたらいいか。大手書店には本棚一杯に「がん」の本が並びネットには真偽不明の情報が溢れかえっている。安心できる手引書はないか、と探している人はたくさんいるに違いない。

 2025年12月『国立がん研究センターのがんになったら手にとるガイド』が12年ぶりに改訂された。厚労省の「がん対策推進基本計画」のもと、がん対策研究所が中心となり、専門家だけでなく患者や一般の意見や体験も加味した「困ったときに最初に手にとるマニュアル」である。

 本書は「がんと診断されたとき」の対処から始まる。動揺するのは当たり前。だが、いまのがん治療はどうなっているのか、仕事やお金はどうするか、など最初の疑問に対して答えを出し、安心させてくれる。

 自分の症状を正確に知り、病院や主治医を決め、納得して治療を始める。標準治療とは現在利用できる「最良の治療」であることを知り、その上で治療方法を選択してほしい。

 医師の説明は難しく、最前線の治療法は専門医しか把握していないことも多い。ならば本書を持参して、分かるまで尋ねるのも一つの手だろう。

 日常生活や経済面を支える制度の利用法、一人で悩まないための患者会もたくさん紹介されている。

 なお本書はすべて「がん情報サービス」サイトから無料でダウンロードすることもできる。それぞれ使い勝手の良いものを利用してほしい。

新潮社 週刊新潮
2026年1月15日迎春増大号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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