『「冗談画報」という楽しい番組があった』
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「関西では客が付かない、カネにならない」伝説番組のお笑いとは?
[レビュアー] 吉田豪(プロ書評家、プロインタビュアー、ライター)
フジテレビ黄金時代=80年代後半に放送された深夜番組『冗談画報』について、司会の泉麻人が書き下ろした一冊。しかし、40年近く前のことなので当時の記憶はおぼろげで、聖飢魔II出演時の「この2、3年前に『笑ってる場合ですよ!』のシロート芸のコーナー(「君こそスターだ」といったか?)で“ゴジラの鳴きマネ”なんかをやって評判になっていたらしく、この日もノーメイクで打ち合わせをしているときに、“ゴジラのコグレくん”などと横澤プロデューサーにからかわれていたのを思い出す」といったエピソードが知りたいのに、映像の紹介がほとんど。それでもちびっこギャングやパワーズ、笑組、ビシバシステムといった東京芸人や、いんぐりもんぐりやシャインズみたいなミュージシャンに言及しているだけでも貴重だろう。
横澤彪(たけし)&佐藤義和という『オレたちひょうきん族』組の制作なのに吉本色も関西色も薄い番組だったためか、東京進出前のダウンタウンが出演したとき松本人志は「こういう感じのことをもっといっぱいやりたいんですけど、正直言いまして、大阪ではメシは食えないですね」。つまり、「東京のラジカルガジベリ(ビンバシステム)みたいなセンスの笑いには憧れるし、僕らにもできるけれど、関西では客が付かない、カネにならない」などと言っていた。
そして『冗談画報』は半年間の放送休止期間を経て『冗談画報II』として復活するが、同日に放送が始まったのがダウンタウンやウッチャンナンチャンによる『夢で逢えたら』だった。その出演者は全員『冗談画報』に出演済みで、「佐藤義和プロデューサー以下『冗談』と同じスタッフによる“冗談卒業生バラエティー”みたいな要素も持った内容」だと知って合点がいった。『夢で~』は、先鋭的すぎるダウンタウンを東京のお笑い向きに調整するための番組でもあったんじゃないかと、いまさら思えてきた次第なのである。


























