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人ならざるものへの愛……ラランド・ニシダさんがひかれた村山由佳さんの文庫
[レビュアー] ニシダ(お笑い芸人)
ラランド・ニシダさん(お笑い芸人)のポケットに3冊
〈1〉『ある愛の寓話』村山由佳著(文春文庫、792円)
〈2〉『人間失格』太宰治著(ちくま文庫、792円)
〈3〉『ひげの殿下日記』寬仁親王著(小学館文庫、1034円)
〈1〉は人ならざるものへの愛についての物語。人ならざるものというと何かおどろおどろしい表現だけれど、ただ純粋に人ではない何かという意味である。その愛は猫や犬など動物、カゴや人形などの無生物にも及ぶ。動物は議論の余地があると前置きしつつ、少なくとも無生物は我々人間と同じような感情を持ち得ない。しかしそこに感情を見(み)出(いだ)して寓(ぐう)話(わ)を作り出す著者の筆力には魔力が伴っているように感じた。
〈2〉はわざわざ薦める必要もないほどの名作ではあるけれど、今回の文庫には太宰治の研究者である安藤宏の作家案内、そして多和田葉子の解説が付いているということもあって購入した。本書を読むのも幾度目かであるけれど、やはり太宰治にはある種のサービス精神を感じるのだ。彼自身が持ち続けた生きることへの適応出来なさをフィクションに還元しようという気概と言っても良い。わたしがそういう風に読むようになったのもここ数年のことで、再読するたびに自分の現在地を確かめるような気持ちになる。
〈3〉は亡くなられた寛仁親王のコラムを纏(まと)めたもの。わたしはこの世界のすべての人間のコラムやエッセイを読みたいと本気で思うことがある。皇族という立場は個々人の感情が見えづらいとニュースなどを見るたびに思うけれど、書いたものを読むことでしか立ち上がることのない人物像があるように思った。=寄稿=























