『償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』
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史上最悪の少年事件のその後を追う。―罪はどこまで償えば許されるか
[レビュアー] 東えりか(書評家・HONZ副代表)
1989年1月7日、昭和天皇崩御。翌日から元号は平成に変わったため昭和64年は7日間しかない。
この短い間に一人の少女が惨たらしく殺された。現在でも史上最悪の少年事件といわれる「綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件」が起こってから37年が経った。
被害者の少女や加害少年と同い年の著者は、少年犯罪が多発した2000年、当時テレビディレクターとして担当していた『ニュースステーション』でこの事件を取材することになる。犯行当時、加害者は16歳から18歳。犯行から11年後、インターネットの掲示板でその少年たちの現在が取りざたされていた。
その後を追うことで少年犯罪防止キャンペーンの一環になる、と取材を許可された著者は調査を始めた。
この時点で、懲役20年の判決が出た主犯格のAはまだ収監中。準主犯格のBは行方不明だった。
悔恨の念が強いFから取材が始まり、自室に少女を監禁したC、少年院送致となったE、監視役で出所後に引きこもりとなったDの母親、とインタビューは続く。各々の家庭に問題があり、それが事件の引き金になったのは事実だろう。だが彼らはAとBを極端に恐れていた。11月に番組は放送され、報道局長特別賞を取るほど大きな反響を呼ぶ。
行方不明のBが逮捕監禁致傷容疑で逮捕されたのは2004年のことだ。皮肉にも再犯したことでBの居場所が知れ、母親や義兄への取材が開始された。明らかになったのは司法制度のひずみと更生の難しさ、償いとは何かという疑問だった。
殺された少女の時間は止まり、加害者たちは生きて人生を送る。この理不尽さは誰もが思うところだろう。どこまで罪を償えば許されるのか。
テレビがオールドメディアと呼ばれ、ネットですべてをさらされる今日、“ニュースをわかりやすく”伝えた故・久米宏キャスターに薫陶を得た著者でさえ、その答えは出ない。


























