『うまくいっている人の考え方 完全版』
- 著者
- ジェリー・ミンチントン [著]/弓場 隆 [訳]
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- ジャンル
- 社会科学/社会科学総記
- ISBN
- 9784799313282
- 発売日
- 2013/04/30
- 価格
- 1,430円(税込)
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【毎日書評】「周りの目」を手放して、自分軸で幸せをつかむ自尊心の高め方
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
『うまくいっている人の考え方 《完全版》』(ジェリー・ミンチントン 著、弓場隆 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)のテーマは「自尊心」。端的にいえば自尊心とは、自分を好きになり、自分はすばらしい人生を創造するに値する人間だと信じる気持ちです。
しかし実際のところ、人は成長の過程で、自分に嫌悪感を抱きたくなるような経験をするものでもあります。なにかあるたびについ、「自分はだめだ」と考えがちなのです。そして、そうした経験が多ければ多いほど自尊心の欠如に悩むことになるわけです。
その結果、心のなかには次の3つの信念ができあがるのだとか。
(1)私は自分の人生を切り開くことができない弱虫だ。
(2)私は不完全な人間だ。みんなより劣っている。
(3)私は生まれつき欠点だらけの人間なんだ。
(「はじめに」より)
しかし落胆する必要はないようです。簡単なことで、自分に対する考え方を修正すれば、自尊心を取り戻すことはできるから。
自尊心を高めるために、少し時間を割こう。その見返りとして、あなたは自信を身につけ、素晴らしい人間関係を築き、楽天的な人間になれることだろう。しかし、いちばん大きな見返りは、新しいセルフ・イメージ(自分自身について抱いているイメージ)である。なぜなら、そのとき、あなたは人間的に大きく成長し、はるかに幸せな自分に変身しているからだ。(「はじめに」より)
きょうは、そんな本書の第1部「自分を好きになる」内の「自分を大切にする」というパートに焦点を当ててみたいと思います。
仕事を楽しむ
自分は、心から楽しめる仕事をするに値する人間だ(41ページより)
「仕事がいやだ」と思うと、朝起きることがつらくなり、一日を乗り切るだけで精一杯の状態になってしまうものです。しかしそれでは、仕事に喜びを見出すどころか、無意識のうちにネガティブなことばかりを考えてしまうことになるかもしれません。
もちろん実際問題として、自分が「いやだ」と思っている仕事をして毎日を過ごすことは健全ではないでしょう。とはいえ、さまざまな事情を抱えているのが人間ですから、すぐに転職できるとは限らないものでもあります。
では、なにから始めればいいのでしょうか。
第一に、軌道修正するために必要なことは何であれ絶対に始めると決意すること。次に、目標を選び、実行可能な計画を立てて段階的に実行すること。この二つだ。(41ページより)
自分が仕事を好きになれれば、それは周囲にいる人たちのためにもなります。自分の仕事を楽しめれば幸せな気分になれますし、相手からも「一緒にいて楽しい存在だ」と思ってもらえるわけです。
また、自分がそういった気持ちを持って提供したものを手に入れた人たちはきっと、愛情のこもった製品やサービスを得ることができるはず。そういう意味でも、仕事に楽しさを見出すことには価値があるのです。(40ページより)
自分は幸せになれると信じる
自分は最高の人生を送る資格のある人間だ。(45ページより)
もしかしたらいま、自分の生活の質や仕事、人間関係、家庭環境などについて満足できていないかもしれません。しかし、もし不満があったとしても、それを変えたいと思っているのなら、必ず実現できるはず。
私たちがいまの状況に置かれているのは、多くの場合、偶然ではありません。私たちは、自尊心の度合いに応じて、自分にふさわしい人間関係や状況に自分を引き込んでいるわけです(ただし、それは無意識の行為なので、意識的に「こうあってほしい」と思っているものとはかけ離れているかもしれないようです)。
だから、健全な自尊心を持っている人は、他人からの敬意や協力、友情を期待し、それらをおおよそ得られるものなのです。しかし自尊心の乏しい人はしばしば、居心地の悪い不快な状況に巻き込まれてしまいがちでもあるでしょう。
では、人生を好転させるにはどうすればいいのだろうか。それは自尊心を高めることに意識を集中することだ。そうすれば、幸せになろうという思いが強くなる。(45ページより)
「自分は幸せになるに値する人間だ」と心から確信できれば、あとは簡単。幸せを生み出すために必要な(ときに小さな)手段を、日常的に選択すればいいだけなのですから。(44ページより)
他人からどう評価されようと気にしない
他人からのマイナスの評価は、かなり差し引いて考える。(56ページより)
私たちは世間の評価を気にしすぎるあまり、他人からのマイナス評価をまともに受け止めてしまう傾向があるもの。つまり、自分の人格や行動、性格を他人が正確に評価していると錯覚しているわけです。しかし実際のところ、他人が私たちをどれだけ正確に評価しているかについては疑問が残るところです。
人は自分を基準にして他人を判断するので、自分に対する他人からの評価は間違っていることのほうが多いわけです。
あなたに対する他人の評価は、その大部分が不正確だということを念頭に置いておくといい。他人の評価があなたの生活に深刻な影響を与えるのでないかぎり、他人があなたをどう評価しようと、気にかける必要はない。(56〜57ページより)
そもそも赤の他人は多くの場合、私たちの生育歴や人生経験について知っているわけではないのです。そう考えてみても、気にかけすぎることがいかに無駄かということを理解できるのではないでしょうか。(56ページより)
平易なことばで、要点がわかりやすくまとめられた一冊。失いがちな自尊心を自分のものにするために、活用してみる価値はありそうです。
作家、書評家、音楽評論家
印南敦史
1962年東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ライフハッカー・ジャパン」で書評連載を担当するようになって以降、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間700冊以上の読書量を誇る。「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」などのサイトでも書評を執筆するほか、「文春オンライン」「qobuz」などにもエッセイを寄稿。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちにPHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)など多数。最新刊は『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』(光文社新書)。@innamix/X
Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン


























