第10回 アクティブな休日にも仕事にも大活躍!〈リュック編〉
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バッグエッセイ連載10回目、前回から「アクティブに過ごす休日のためのバッグ」の紹介をしている。前回クロスボディを語ったところで紙幅が尽きたのだが、実はもう一つ語っておきたいジャンルがある。ずばり、リュックである。
実はリュックというのは現代日本人にとって最も身近で付き合いの長いバッグではないかと思う。幼稚園児や保育園児もリュックを担いで登園するし、小学校に入るとほとんどの児童がランドセルを使うことになる。
ちなみに、ランドセルの発祥は明治10年10月に開校した学習院だと言われている。当時の学習院は華族の教育を目的として設立されており、神田錦町の校舎は煉瓦造りの超豪華なもの。児童たちは馬車で通ったり、使用人に荷物を持たせたり、「ザ・お坊ちゃん、お嬢さん学校」だった。だが学習院は「学校では皆平等、家庭環境を教育の場に持ち込むのはいけない」という理念のもと、「学用品は自分の手で持ってくる」べきだとして、明治18年に馬車や人力車での通学、使用人に荷物を預けることを禁止した。
その際に採用されたのが、軍隊用の背のうだった。オランダ語で「ランセル」と呼ばれていたことから「ランドセル」という言葉が生まれることになる。明治20年には大正天皇の学習院ご入学祝いに伊藤博文が箱型の通学鞄を献上。これが現在のランドセルの原型となっている。
就学予定児がいないにもかかわらず、私はランドセルを見て回るのが好きだ。あんなに作りがしっかりしたバッグ、なかなかお目にかかれない。雨の日も雪の日も背負ってほぼ毎日使う。特別なケアをしないどころか、子供はたいてい乱雑に扱うというのに、6年間修理なしで使える。とんでもないバッグである。本革であれ合皮であれ、非常に上質で研究し尽くされた素材が使われていることが多い。電車に乗っている大人たちが持っているたいていのバッグより、ランドセルは上質だ。こんなに上質なバッグを人生の初期にほぼ強制的に持たされることになる日本人は、その後の人生においても、バッグに対して鋭敏な感覚を持っていてもおかしくない。ところが、多くの人はそれほどバッグにこだわらないし、人生において最も上質なバッグがランドセルだった、という人も多いだろう。
と、いつものごとく脱線したが、ランドセルとの蜜月期間を終えても、リュックとの関係は続く。男性の場合、中学高校大学とリュックしか使わず、さらに社会人になってからもリュック一本という人もいるのではないだろうか。女性の場合そこまでではなくとも、教科書が重い学生時代にリュックは活躍するし、社会に出てからもPCや資料を運んだり、出張に行ったりするときに便利だ。さらに、子供ができて子供とお出かけする際にも両手が空くリュックは使い勝手が良い。
とにかく便利なのである。しかも、最近は服装のカジュアル化に伴い、リュックをオシャレに持ちやすくなっている。
2年前にパリに遊びにいったとき、現地に住んでいる日本人女性が「ここ数年、パリではリュックが流行ってるんですよ」と話していた。確かに道ゆくパリジェンヌたちはカーキやグレーのロングコートに黒いリュックをザクッと背負い、大股&早足で歩いていて、かっこよかった。


