第13回 「大事なのは、形ではなく色」ダサくならないバッグ術!

バッグのために書いている

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©カメダ
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 バッグ連載13回目。今回からやっと「ファッションに合うバッグ」あるいは「ファッションを邪魔しないバッグ」の話題に入っていこう。

 毎度前置きが長くなってしまうから、今回は結論から言う。というか、もうこれだけ覚えて帰ってください。ファッションという観点で考えたとき、「バッグで大事なのは、形ではなく色」である。大切なことなのでもう一度言います。大事なのは、形ではなく色!

 ファッションにおいて、形、シルエットは、トレンドと無縁でいられない。トレンドのシルエットがあり、となると必然的に、時代遅れのシルエットがある。時代遅れのシルエットに身を包んだ瞬間、何をどうしてもダサい。本物のファッショニスタは、あえてトレンドからズレたシルエットを採用することで、新たなトレンドを生み出したり、ファッション(が依存するトレンドというものの不確かさ)に対する批評性を表現したりすることもある。けれども、そのレベルの本物はこのエッセイを参考にせず、我が道を行くだろうから放っておこう。「オシャレになれたら嬉しいけれども、オシャレじゃなきゃ嫌というほどではなく、ただ、ダサいと思われるのは嫌だなあ」とぼんやり考えているような人(つまり私のような人間)に照準を合わせて話していく。なるべく効率よく「ダサい」を回避する方法を紹介したい。

 シルエットが時代遅れだと何をどうやってもダサい。だからまずはシルエットを、ベーシックなものか、トレンドのものから選ぼう。自分の体型に合っていることも一応大切なので、インターネットで骨格診断を検索し、自らの体型を自己診断してもいい。骨格に合うシルエットをベーシック、あるいはトレンドの服から選ぶ。ベーシック、トレンドの服って何だよと思うかもしれないが、ユニクロのような量販店の服は、その時々のトレンドのシルエットをしっかり反映して作られている。思考を停止して、量産されている服を買えば問題ない。10年前のユニクロだと10年前のトレンドを反映してしまっていて、今着る服としてはベーシックでもトレンドでもない。できれば直近で購入するほうが望ましいが、5年以内に購入したものであれば、だいたい大丈夫だ。

 シルエットに凝りだすと、無限に困難な道のり(ファッショニスタによるファッショニスタのための世界)に足を踏み入れることになる。あまり深く考えずに量販店で服を買っておけば、シルエットに悩む必要はない。選択肢が少ないぶん、逆に楽なのだ。

 一方、色については、より注意深く考える必要がある。ダサくならないための一番楽な方法は、色数を抑えることだ。全身黒、全身ネイビー、全身ベージュのようなワンカラーコーデ。白と黒、白とネイビー、ベージュとネイビーなどの2色コーデ。全体を1色か2色に収めておくと、何をどうやってもダサくならないので、安全である。巷のファッション本では「3色まで」と書かれていることが多い。実際ちゃんと考えれば3色でも大丈夫なのだけど、逆に言うと、ちゃんと考えないと3色コーデはダサくなる。

 ここで問題なのが、小物の色だ。バッグや靴にも色がある。服本体を2色に抑えたところで、バッグと靴それぞれの色を追加したら4色になってしまう。古典的なファッション本には「バッグと靴の色を揃えるとよいでしょう」などと書いてあるのは、このためだ。バッグと靴の色が同じであれば、増える色も1色に抑えられ、全体で3色をキープできる。

 実はこの「バッグと靴の色を揃えるとよいでしょう」という準則が曲者なのだ。ファッション素人が思う以上に、「同じ色で揃える」のは難しい。

 例えば、レザーバッグでよく出てくる「キャメル」は注意が必要な色だ。「キャメル」「ブラウン」「タン」「ナチュラル」などと称されるものは、ブランドによっても色味が異なる。本革には個体差があるので、同一ブランドごとどころか、同一品番内でも商品ごとに色味が違うこともある。バッグと靴を同じ色で揃える場合、ピタリと同じ色で合わせないと意味がない。赤みが強いキャメルのバッグに対して、黄みが強いキャメルの靴を合わせると途端にダサくなる。

 もう少し詳しく説明すると、色の三属性のうち、明度が異なるものを組み合わせるのはグラデーションコーデとしてアリなのだが、色相や彩度が異なるものは別の色としてカウントしたほうがいい。明度というのは色の明るさである。ある色に白を混ぜて明るくしたり、黒を混ぜて黒くしたりすることで、明度の目盛りを動かすのはOKだ。しかし、白や黒以外の色を混ぜて色相を変えたり、同系色や反対色を混ぜて彩度を変えたりするのはいけない。という話なのだが、皆さん、読んでいて頭が痛くなってきたでしょう?
 そうなんです。色を合わせるとファッション業界の人は簡単に言うけれど、同じ色で揃えるというのは実はすごく難しいし、面倒な作業だ。たくさん色を見ていると、何となく分かるようになるのだが、普通の人はそれほど色にもファッションにも興味がない。