第四回 映画「恋愛裁判」から考える、アイドルの恋愛と人権

偏愛エンタメ冷凍便

更新

元・日向坂46齊藤京子さん主演映画『恋愛裁判』

 日本ではアイドルが恋愛をすることに対する社会の目が厳しい。「恋愛スキャンダルが出るなんてプロ意識が低い」「アイドルになると自分で決めたのだから恋愛は我慢すべき」といった言葉は、アイドルファン界隈で半ば当たり前のように交わされてきた。もちろん、アイドルたちは決して犯罪を犯しているわけではない。平等な権利である「恋愛」に対して、なぜ私たちはここまで過剰に反応するのだろうか。

 そんな日本のアイドルの恋愛禁止カルチャーに一石を投じるかのように公開された映画が、元・日向坂46齊藤京子さん主演の『恋愛裁判』だ。
「アイドルが恋をすることは罪なのか?」という強烈なメッセージに惹かれ、私も劇場に足を運んだ。ストーリーを簡潔にまとめると、人気急上昇中のアイドルが同級生と再会し恋に落ちるも、所属事務所から「恋愛禁止条項違反」で訴えられ、法廷で厳しく追及されるというものだ。本作は、深田晃司監督が実際の裁判例から着想を得て企画・脚本を手がけたという。これまでにアイドルが所属事務所から損害賠償請求をされた裁判例は2件あり、事務所が勝訴したケースと、アイドル側が勝訴したケースがそれぞれ存在する。後者では、「異性との交際は幸福を追求する自由の一つで、アイドルの特殊性を考慮しても禁止は行き過ぎだ」という判断が示された。