第十二回 貫禄中学生イマルフィー

それでもやっぱりすてきな明日

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©ながしまひろみ
©ながしまひろみ

 202411月。佐賀之書店さんの開店1周年記念イベントに呼んでいただきました。
 実は私、佐賀之書店の店長である本間悠さんが開催されている「ほんま大賞」の第1回受賞者なんです。これは自慢。
 1周年記念に呼んでいただけ、うれしかったのですが、その内容にぎょっとしました。「今村翔吾先生とのトークショー」とあるではないですか。
 私ほとんど作家の方を知らないのです。それでもって、今村翔吾さんって、直木賞作家であり、書店を経営され、何よりあの見た目。貫禄の塊ですやん。もうこれは緊張せずにはいられません。びくびくと佐賀に参りました。
 さて、当日。控室で今村さんとお会いしてびっくり。
 しゃべり方が完全に師匠なんです。そう、お笑い界の。ご自身でも「インディアンス(現・ちょんまげラーメン)の田渕さんに似てる言われんねん」言うてはりましたけど、声のカスカス具合に間の取り方にイントネーション。M-1グランプリに出られそうではなく、M-1の審査員席に座ってそうな落語界の重鎮と話している気分でした。
 共通点が多いことも発覚しました。今村さんの実家と私の住まいが近いこと、私が働いていた中学校がご親戚の家のそばだということ。そんな地元トークで大いに盛り上がり、そのままトークショー。
 今村さんのしゃべり、流暢が過ぎました。「さて、みなさん、やあやあよう来てくれはりましたね」って会場を盛り上げつつ、私にいろいろ振ってくださりながら、ガンガン笑いをとるんです。
 ほんで、知ってました? 今村さん私より10歳も年下なんですよ。トークショーの中でもそんな話になり、
「瀬尾さん、10も年上には見えへんな。43歳に見えるな」
 言うてくれはりました。もう、今村さんたら、お世辞が…下手すぎません? なんなんその具体的な数字? 30代とか言うてくれな、若く見えてる感じしないやん。
 そして、最も気になることもお聞きしました。
「なんなんですか。その貫禄?」と。
 今村さん一切お気を悪くすることなく、
「だって失敗いっぱいしてるもん。せやからやわ」
 とお答えに。
「失敗なんかいっぱいしたらええやん。ダサいだけやろう? ああ、俺かっこ悪かったな、で終わりやん。それやったら、やりたいこと全部やったほうがええやろう」
 なんという大胆で素敵な考え。
 そして、トークショーが終わった後、
「次出る本の舞台、四條畷しじょうなわてやねん」
 と今村さんがおっしゃったので、
「それなら、よく行く書店さんあるんで何か楽しいことしに来てください」
 と申し出たところ、
「ええでー行くわ」
 とあっさりと承諾いただき、本当に来てくださいました。