それから

落雷はすべてキス

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夏、どこかで常に溶けていく氷がいて、どこかで誰かが手を繋いでいて、どこかの海で必ず陽が沈んでいく、いつも、つねに、かならず、どこまでも終わりがなくて、すべてがすでに始まっていて、私はたまに夕焼けの中で日差しに肌を焼かれながら何もかもこのままでいい気がして、嘘をつきたくなる、恋ができたらいいのにと思う。私がいなくなればきみが終わり、私も終わり夜が来る、秋が来る、きみの体が冷えていく、冬が一番きれいな季節だと思うと、夏生まれのきみが言う。
恋人たちは戦場に行った、守るべきものがある人は戦場に行った、誰も大切でない人だけが生き残って海の景色を愛している、自分を好きだった人(そんな人はいない)がいたような気がしてくる。