落雷はすべてキス

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まっしろい雪の景色を見たこともないのに記憶している。すべての美しさを知っているふりをして、冷え切った空気の中で、白い斜面に足跡を残す。愛しているなら、きみはきみを犠牲にできるはずだと言われて、まるで世界から捨てられたみたいだった。私を捨てることでみんなは何を得たんだろう。足跡のない雪景色だといい、誰かの故郷に綺麗な雪化粧がほどこされて、私は夕焼けになって、赤色の光を一度きり、きみの街に満たす。私は私が大切で、死にたくなかった、生きたかった、きみたちの世界は私の死後、だけどきっと今よりきれい。