夕陽

落雷はすべてキス

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きれいになりたいと、殺意は同じ。私よりきれいなきみを許してあげる、夏が終わるから、地平線に連れ去られていく私ときみの繋いだ手の、間にあったぬくもり。秋になるよ、さみしくなるほうが恋な気がするなら、きみの手を離そう、きみとは別の日に死のう、そうやって人は簡単に誰かとお別れできるようになったのかもしれないね。赤く染まる木々の葉が風に揺れて、揺れて、私きみになりたいと言わなかった、一度たりとも、きみのほうがずっとすべてが完璧なのに、私は私のままでいたかった、離れるだけできみは、不完全になる、いつのまにか、私が離れるだけできみは不完全になって、冬になったらきっと凍えてしまうから、夕陽の赤色があたたかい自分の血と同じ色のような気がする、きみは、生まれてはじめて。昔の、自分の産声を思い出すんだ。