【試し読み】『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る 低気圧とのつきあいかた』
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大人気アプリ「頭痛ーる」が初書籍『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』を刊行。イラスト満載で、わかりやすく体をいたわるコツを解説する1冊から、睡眠不足を改善するコツを試し読み公開します!
体内時計を利用して睡眠改善
作業療法士の菅原洋平さんは、睡眠不足について考えるときにポイントとなるのは「夜に眠気があるかどうか」だと言います。
「時計を見て、就寝時間になればベッドに入る習慣がついている人が多いと思います。しかし体が眠くないのに寝ようとしても、寝つきが悪かったり、途中で目覚めたり、睡眠の質が悪くなります。これではいくら寝ても疲れが取れません。大事なポイントは、夜にちゃんと眠くなる脳を作るための、日中の過ごし方です」
そこで菅原さんが提唱しているのが「4–6–11の法則」。具体的には「起床から4時間以内に光を見て、6時間後に目を閉じて、11時間後に姿勢をよくする」というものです。
これは、「メラトニンリズム(目の網膜が日光をキャッチしてから16時間後に眠気が訪れるリズム)」
「睡眠―覚醒リズム(起床から8時間後と22時間後に眠くなるリズム)」
「深部体温リズム(体内の温度が起床から11時間後に高くなり、22時間後に低くなるリズム)」
という体内時計に関係する3つのリズムをうまく活用する方法のこと。
例えば午前6時に起床したなら、午前10時までに日光を浴びて眠気をリセット。その後、眠気が訪れる前の正午に目を閉じ、眠気をあらかじめ抑えます。目を閉じるのは1〜30分。実際には眠らないで、1分間、目を閉じるだけでも大丈夫です。短い仮眠をとる場合も椅子に座ったままにしましょう。
そして午後5時に姿勢をよくしたり、運動したりして深部体温を上げておくと、就寝前に体温が下がるときとの差が大きく、眠りに入りやすくなる、というものです。
菅原さんは、法則通りの時間を気にして1日を過ごすのがストレスにならないよう、あくまで一つの目安と捉えてほしい、とも。また光に対する感受性が強い人なら「メラトニンリズム」が整えば睡眠が改善しやすいものの、弱い人はいくら起床後に日光を浴びても状況は変わりにくいと言います。
一方、そういう人でも、深部体温の変化を意識した行動をとると、質の高い睡眠が取れるようになるかもしれません。
「どのリズムを強化したら、睡眠の改善効果が現れやすいかは人によって違います。いくつか試してみて、一番自分に合った方法を見つけてみてください。一つのリズムが整うと、ほかのリズムも同調して良くなります」(菅原さん)
【取材協力・監修】
菅原洋平 作業療法士、ユークロニア株式会社代表
東京都千代田区ベスリクリニックで薬に頼らない睡眠外来を担当。生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行っている。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』など多数。