特別展「いきもの超ワールド展」監修・山崎博史先生インタビュー 砂浜の下は未知の世界 研究者が夢中になる「メイオベントス」の正体
特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」特集
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海辺ですくった一握りの砂の中に数千匹ものいきものが——。髪の毛の太さと同じくらい、あるいはそれよりも小さな「メイオベントス」は、普段は目にすることのない極小のいきものたちです。一見すると何の変哲もない砂粒の間には、驚くほど豊かな世界が広がっています。
特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」(以下、「いきもの超ワールド展」)では、そんな肉眼ではほとんど見えない小さないきものたちにもスポットが当てられています。
今回は、「いきもの超ワールド展」の監修者であり、メイオベントスの分類や生物多様性を研究する、国立科学博物館(以下、科博) 動物研究部 海生無脊椎動物研究グループ 研究員の山崎博史先生に、未知の世界が広がるメイオベントス研究の魅力についてお話を伺いました。(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター)
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――山崎先生の主な研究テーマについて教えてください。
山崎 多細胞動物、特に「メイオベントス」と呼ばれる水底で暮らす小さないきものの多様性を専門に研究しています。
あまり聞きなれない名前ですよね。海岸で砂をひとつかみすると、その中には数千匹のメイオベントスが暮らしていることもあるほど多く存在するのです。
――メイオベントスは、砂の中で暮らしているのでしょうか?
山崎 砂のすきまであったり、砂・泥・岩などの表面であったり、つまり水底で暮らしています。水中で暮らすいきものは、暮らし方によって大きく3つに分けられます。魚のように自力で泳ぐことができるネクトン、波や海流によって移動するプランクトン、そして水底で暮らすベントスです。
水底で暮らすという観点では、例えば多くのエビやカニなどは、比較的大型のベントスに当たります。そんなベントスの中でも、目合い1 mmの篩をすり抜け、0.031 mmの篩に留まるものがメイオベントスに分類されます。ヒトの髪の毛の直径が約0.1mmですから、これと比べると、メイオベントスは肉眼ではとても見られないほど小さないきものということが想像できるかと思います。
ただ、小さくてもメイオベントスは多細胞動物なので、なかなか複雑な体のつくりをしています。



