第二子妊娠、子育ての合間に3カ月で長編執筆!? 東大在学中に作家デビューした辻堂ゆめの恐るべきバイタリティー

『君といた日の続き』刊行記念特集

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2014年東京大学法学部在学中に「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、2015年に『いなくなった私へ』で小説家デビューした、いま大注目の作家・辻堂ゆめさん。10月19日に刊行予定の新刊『君といた日の続き』は、デビュー7年目にしてなんと早くも、記念すべき20冊目! 本インタビューではその驚異的な執筆力と本作の魅力について、徹底的に語っていただきました。

執筆時間は作品と同じく、まさにひと夏。

君といた日の続き

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『君といた日の続き』は、「yom yom」で連載させていただいていましたが、書き下ろし作品のようにラストまで一気に書き上げました。夏の初めに書き始めて、夏の終わりに担当編集者さんに提出したので、期間としては三ヶ月くらいですね。本書はひと夏の物語なので、時期的にはぴったりでした。
 当時は2人目を妊娠中で、長女は1歳半。私自身には10歳の娘はいないので、自分の子育てを意識して執筆したわけではありませんが、目の前の子供にどう向き合うか、子供を喪った哀しみにどう向き合うかがテーマなので、無意識のうちに私自身がにじみ出てしまっている部分はあると思います。
 今は子供たちを週三日保育園に預けているので、その日の日中は執筆に集中しています。子供が寝てから続きを書く日もありますが、執筆時間を確保できているので、会社員との兼業作家時代よりはその点でありがたいですね。
 子育てももちろん責任重大ですが、会社員は期日に追われますし、上司の命令に左右されるので、平日に時間を確保するのが難しくて。けれども、土日はなるべく余暇にあてないと仕事とのメリハリがきかなくなってしまうので、とにかく平日の夜に書いていました。その頃に比べたら、今の方が楽です(笑)。