【試し読み】『知らなかった! パンダ アドベンチャーワールドが29年で20頭を育てたから知っているひみつ』
更新
ずっといてほしいけど、未来のために――中国に旅立ったパンダたち
アドベンチャーワールドで生まれたパンダのうち、すでに11頭が中国に旅立ちました。
雄浜・隆浜・幸浜・永浜=四川省 成都ジャイアントパンダ繁育研究基地
秋浜=広東省 深圳野生動物園
愛浜=陝西省 陝西省珍稀野生動物救助飼養研究センター
明浜=広西チワン族自治区 柳州動物園
梅浜=河北省 唐山動物園
海浜=貴州省 貴陽市黔けん霊れい山ざん公園管理所ジャイアントパンダ館
陽浜=四川省 成都動物園
優浜=安あん徽き省 宿州野生動物園(以上、2021年11月現在の所在地)
アドベンチャーワールドからは早いと2歳のうちに、遅くても6歳ごろまでには中国に旅立ちました。飼育スタッフは生まれたときからずっとお世話をしていますから、できればいつまでもいてほしいと思いますし、中国に旅立つときは涙が出るくらいさみしいです。通ってくださるゲストからも、いなくなるのはとても残念とお声がけいただきます。でも、オスでもメスでも、パークにいる限りはパートナーが見つかりません。中国にたくさんいる仲間の中からパートナーを見つけ、新しい命をはぐくんでほしいと思います。
中国では、飼育下のパンダを野生にかえすプロジェクトも行われています。アドベンチャーワールドの子孫がその「野生復帰プロジェクト」に関われると思うとワクワクしますし、中国に旅立ったパンダたちがパンダの未来に貢献していると思えば、「がんばって」と応援しなければなりません。
永明と梅梅の第一子、オスの雄浜は2004年に中国に旅立ちましたが、5頭のメスとの間に15頭もの子どもをもうけているそうです(2019年11月時点)。
(次ページへ続く→)