「これまで経験したすべてのしょうもない飲み会に感謝しています」ーー作家・小林早代子が語る『みんな、好きが下手』誕生秘話
読んだら絶対に語りたくなると話題の小説『みんな、好きが下手』刊行記念特集
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「イタくなれ、欲しがれ、ちゃんと疲れろ!と激励してくれる――SNS時代の青春小説がここにある!」
―――マルチタレント、佐伯ポインティさん
「小林さんの小説を読むと元気が出る。成瀬が好きな人はハマると思う!」
―――『成瀬は天下を取りに行く』著者宮島未奈さん
2015年、「くたばれ地下アイドル」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、受賞作を含む同名の単行本(のち『アイドルだった君へ』に改題し文庫化)にてデビュー、続く二作目『たぶん私たち一生最強』も多くの読者の共感を呼び話題となり、いま一番「刺さる!」と話題の作家、小林早代子さん。
三作目となる新刊『みんな、好きが下手』は、現代を生きる大学生とSNSをテーマにした唯一無二の「失恋小説」です。
「めちゃくちゃ刺さる!」「読んだら絶対語りたくなる!」と話題の本作について、執筆のきっかけや作品に込めた思いを、著者である小林早代子さん本人に聞きました。
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――デビュー作『くたばれ地下アイドル』(文庫化に際し『アイドルだった君へ』に改題)はアイドルをテーマにした短編集、続く2作目『たぶん私たち一生最強』は女性4人で家族になるという連作短編形式のシスターフッド小説でした。『みんな、好きが下手』は小林さん初めての長編小説です。
小林 初めての長編小説であり、実は連載も初めてでした。短編集や連作短編集は各話で事件を起こしてそれをまとめるという難しさがありましたが、今回は一人の主人公を通して物語を展開させることに意識を向ければよかったので、今までより肩の力を抜いて書けたと思います。ただ、毎月〆切が来るという連載の形式が本当にキツかったです……! おまけに、私は書くのが遅いので、毎月息切れしながら書いていました(笑)。
――小林さんの小説は、女性同士の友情など「女の子の関係」を描いたものが多かったように思いますが、今作の主人公、ジン太は大学1年生の男の子です。
小林 もともと女の子が好きというか、その関係性の面白さみたいなものに魅力を感じているんですが、前作『たぶん私たち一生最強』で、自分の経験も交えながらシスターフッドについてはしっかり書けたと感じていました。今作では自分と少し距離を取りたかったのと、ある種の鈍感さや社会からの圧のない主人公を書いてみたかったので、男性にしてみました。
――ジン太は、陽キャで口数は多いのに、自分の気持ちを伝えるべき場面ではなぜか肝心なことが言えないキャラです。
小林 よくいるタイプと言ってしまえばそうですが、実はけっこう私自身を反映させたところもあります。10年くらい前だったか、ちょっとしたやり取りの中で、当時の恋人に「ごめん」と言ったら「初めてちゃんと謝ったね」と返されて「え! 私ってそんなに謝らないタイプだっけ?」と軽くショックを受けたことがありました。自分でも気づいていなかったのですが、家族とか恋人とか、親しくなればなるほど「ごめんなさい」とか「ありがとう」とか、気持ちを言葉にするのに照れを感じて言えなくなるタイプだったんです。それからは、意識的に言葉にするようにしているのですが、日々修行って感じですね。


