私を通りすぎたスパイたち

私を通りすぎたスパイたち

著者
佐々 淳行 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784163904276
発売日
2016/03/25
価格
1,650円(税込)

内容紹介

ゾルゲ、ラストボロフ、レフチェンコ、瀬島龍三、秘密メモ全公開

日本に侵入した様々なスパイたちの捜査秘話を含め、自らがアメリカでスパイ特訓を密かに受け、時にはスパイを操った事実を初告白。

はじめに 私とスパイたちとの関わりを書く

第一章 父弘雄とスパイゾルゲはいかに関係したか

小学生の時から、ゾルゲ事件で逮捕され処刑された、あの「尾崎秀実」を間近に観
察し、父が連座して特高に逮捕されるかもしれないと怯えた日々……。戦後、警察
官になったとたんにラストボロフ事件が発覚し捜査にも協力。香港では台湾系スパ
イを運用するかたわら英国MI5に監視される。その姉妹組織MI6のスパイでも
あった作家フォーサイスと知り合えば、作中、実名で登場する羽目に……。佐々流
の波瀾万丈のノンフィクション・スパイ・ストーリーの開幕─。

第二章 スパイ・キャッチャーだった私

一流のスパイ・キャッチャーになるために、秘密裡にアメリカに「留学」。
ジョージタウン大学の聴講生という触れ込みだったが、実際は、CIAやFBI仕込みの
猛特訓を受ける日々。ピストルの撃ち方、スパイの尾行や追跡のノウハウから、
警官ならではの俗語の使い方やら、見るもの聞くものすべてを実地で学ぶ研鑽の
日々だった。唯一、ハニー・トラップに関する講義はあったものの、その誘惑に
打ち勝つための実地研修がなかったことが心残りだったが……。

第三章 日本の外事警察を創る

戦前の治安維持法、治安警察法、国防保安法などがGHQの命令のもと、一気に廃
止された。父への弾圧を思えば、喜ばしい限りだったが、あまりの行き過ぎはかえ
って、日本の治安の混乱を招いた。それを見て、「治安回復(ピース・メーカー)」
こそ、自分の人生をかけてやるべき仕事だと思い、独立後復活したばかりの「警察
三級職試験」を受け合格し、キャリア警察官としてスタートを切った。だが、まず
はエロフィルムの摘発。エロショーが最高潮というときに立ち上がって「そのまま
動くな! 警視庁の風紀係猥褻班だ!」なんて叫ぶ羽目に。スパイ相手に、「その
まま動くな! FBIだ」と名乗るアメリカのようにはなかなかいかない……。日
本の外事警察建て直しまでの長い道のりが始まった。

第四章 彼は二重スパイだったのか?

聞いたこともない「〝ネグシ・ハベシ国〟大使」を名乗る詐欺師。実は、アメリカ
の諜報機関員員だ……ともささやく。ならば、外事課の分野だろうとお鉢が回って
きたりすることも。亡命を希望したロシア人を西ドイツに無事送ったものの、あれは
もしかして「二重スパイだったのではないか?」と悩むことも。一方、中曽根首相の
ブレーンでもあった瀬島龍三が実はソ連のスリーパーでもあった事実など……。ス

データ取得日:2024/04/26  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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