『文章は「形」から読む ことばの魔術と出会うために』
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『文章は「形」から読む』阿部公彦著
[レビュアー] 産経新聞社
文章を読んで人はいろんな感情を抱く。安心感に包まれたり、何かにせかされるような気分になったり…。理由は内容だけではなく文章の「形」にある。そう語る著者が契約書や広告、詩など多様な文章を分析し、背後に働いている意図をあぶり出す。
「学習指導要領」に用いられる箇条書きのスタイルには読者を寄せ付けない「拒絶の身振(みぶ)り」がある。料理のレシピ本は、体言止めを多用し話し言葉も取り入れることで日常性やなごみを醸し出す。
実用的な文章を、文学作品のように丁寧に読むことで「形」の持つ力が見えてくる。個性的な日本語読本。(集英社新書・1144円)