「翻訳しただけ」のグローバルサイトでは販路拡大は不可能だ――企業サイト運営における“本当の多言語対応”を考える
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国によって異なる「16/10/21」が指す日
国によって異なるのは言語だけではなく、記号の解釈や数字の表記方法にもおよぶ。それぞれみてみよう。
世界で異なる記号の意味
日本国内でよく使われる記号として「○×△」がある。たとえば、ホテルの空室状況を調べようとして、下図のような表現を見たことがある人も多いだろう。
ほとんどの日本人(あるいは、日本に長く住む外国人居住者)であれば、上記の表から「27日はどのタイプの部屋でも空き室がある」「typeCの部屋は人気」といったことを読み取れるだろう。しかし、これと同じ表が他の言語に翻訳されたページに書かれていたとき機能するかと言えば、答えはおそらくノーとなる。
これは日本では「○=良い・可能/×=悪い・不可」といった意味合いで使われているが、海外ではその認識がないからだ。たとえば、学校で行われるテストの採点でも、日本では正答に○、誤答に×(あるいはカタカナの「レ」のようなチェックマーク)がつけられることが多いが、 海外においては正答にチェックマークをつける国も少なくない。
世界で異なる日付、桁区切りの表記
他の例としては、日付や桁区切りの表記方法がある。たとえば、2016年10月21日を指す書き方として「2016/10/21」(あるいはその省略形として「16/10/21」)などと書く場合がある。しかし、国によっては「年月日」の順ではなく「日月年」がスタンダードの国もあるため、もし、そうした国向けに翻訳されたサイトで上記のような表記をしてしまった場合、まったく違う日付と認識される恐れがある。
同様のことは桁区切りにも言える。日本で10万円を示す場合「100,000」と区切りに「,(カンマ)」を使うが、国によっては「100.000」「100 000」と「.(ピリオド)」や半角スペースを使う場合がある。主な国の表記方法についてまとめると下記のようになる。グローバルサイトを制作する場合は翻訳だけではなくこうした表記についても留意する必要があるだろう。
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ここまで、グローバルサイトにおける留意すべき点について述べてきたが、ここに挙げた以外でも注意点は多岐にわたる。日本に住んでいるとあまり意識しないが、国家の検閲による「禁止ワード」もその一つだ(有名なところでは、中国の「天安門事件や反体制メディアに関する言葉の検閲」がある)。
グローバルサイトは、販路拡大を目指すうえでもはや必須のものとなっている。しかし、その効果を最大限に発揮したいのであれば「単なる翻訳」を超えたクオリティを有する必要があるだろう。
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