『あの俳優は、なぜ短期間で英語が話せるようになったのか?』
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【話題の本】『あの俳優は、なぜ短期間で英語が話せるようになったのか?』
[レビュアー] 高橋天地
■大切なのは思いやり
ハリウッド進出を果たした日本の俳優たちは、なぜ短期間で流暢(りゅうちょう)な英語を身につけることができるのか? 本書は、俳優たちがセリフを生き生きとした自分の言葉とするまでの舞台裏を明かし、彼らが実際に取り組む、丸暗記とは全く違う秘伝のレッスン方法を分析、英会話の勉強にも応用しようと試みたものだ。
著者は「ラスト サムライ」(2003年)などハリウッド映画や日本のテレビドラマで俳優の英語コーチを務めた塩屋孔章氏とラッセル・トッテン氏。編集を担当したSBクリエイティブの中本智子さんは「3月の刊行以来、海外旅行客に好評なのか空港や駅の書店でじわじわと売れ続け、他のSB新書に比べ、2~3倍の売れ行きを示しています」と話す。
本書は「バイリンガルになりきれ」などと無理難題を吹っかけるのではなく、話し相手に聞き取りやすくする思いやりを大事にし、英語独特のリズムを身につけるべきだ、と論理的に説く。発音ができれば聴く力もつくという。NHK連続テレビ小説「花子とアン」で見事な英語を披露した主演の吉高由里子さんの“格闘”ぶりはとりわけ興味深く、語学習得のヒントとなりそうだ。(塩屋孔章&ラッセル・トッテン著/SB新書・800円+税)
高橋天地