朝からネガティブでいるか、ポジティブでいるか?で人生は変わる!気分なんて心の持ちかた次第だ

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朝からネガティブでいるか、ポジティブでいるか?で人生は変わる!気分なんて心の持ちかた次第だ

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

成功をめざす人に知っておいてほしいこと 新版』(リック・ピティーノ 著、 弓場 隆 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は本書の冒頭で、英チャーチル首相が第二次大戦のさなかに国民に向けた「勝利を祈ることはすばらしい。しかし、本当に大切なのは、勝利に値することだ」ということばを引き合いに出しています。

長期にわたり努力を積み重ねてきた人だけが、成功を手にする価値があるということ。どのような成功も、懸命な努力の果てに生み出されるものであるわけです。

どの偉大な組織、チーム、人々をとっても、「ひたむきな努力」が共通項として浮かび上がります。それは成功の絶対条件です。

努力に関する限り、妥協の余地はありません。ひたむきな努力なしに成功する方法というのは偽物です。(「はじめに」より)

こうした主張は、著者のバックグラウンドと関係しているようです。NBAニューヨーク・ニックスのヘッドコーチを経て、名門ボストン・セルティックスのヘッドコーチ兼シニアディレクターに就任。さらにはそののち、ギリシャ代表のヘッドコーチを務めた人物なのです。また、そんな実績に基づく人間心理に対する洞察力と指導力が評価され、企業を対象とした能力開発や組織論の公演活動も行っているといいます。

人は誰しも、自分の価値を高めたいと思っているもの。しかし、それを実現する方法を知らない人があまりにも多いと著者は指摘しています。

そのような観点に基づく本書のなかから、きょうは第3章「常にポジティブでいる」に焦点を当ててみたいと思います。

ポジティブな姿勢を維持する

ノーマン・ヴィンセント・ピール牧師はベストセラーとなった『積極的考え方の力』(ダイヤモンド社)という本の中で、「どんな障害や困難があっても絶対に屈してはいけない」と書いていました。

さらに、「自分の能力に自信を持ち、創造的で健全な思考を心がけ、平和で幸せで満ち足りた姿勢で毎日のスタートを切るべきだ」と主張していました。

ピール牧師の基本理念は、最初にはポジティブな姿勢が不可欠だということです。(58ページより)

著者は駆け出しの監督だったころ、間違いのなかからそれを学んだのだそうです。たとえば当時は、僅差で負けていて残り時間がわずかになったときにはタイムアウトをとって選手を集め、「もしこの試合を落としたら、明日の練習でしごくから覚悟しろ」と脅してプレッシャーをかけていたというのです。

結果は?

当然ながら選手たちは緊張してミスを連発して試合に負け、全員がお互いを責めることになったのだとか。つまり著者は無意識のうちにネガティブな姿勢で選手たちに接し、彼らが失敗するように仕向けていたということ。したがって、多くの接戦を落としていたのも不思議ではなかったと当時を振り返っています。

しかし、今は違います。ポジティブな姿勢を貫き、「安心しろ。こういう状況に備えて練習してきたのだから、練習の成果を発揮すれば必ずうまくいく」と選手たちに言い聞かせて自信を持つよう指導し、成果をあげています。(59ページより)

ただでさえ、生きていく過程で思考がネガティブになってしまうことはいくらでもあるものです。しかも現代人はネガティブなメッセージであふれた時代を生きているだけに、その影響を受けて悲観的な人生観に陥りやすく、それを失敗の口実にしがちでもあります。

さらにいえば、低い自尊心しか持ち合わせていない人は、自分の失敗を人や社会のせいにしたりもします。けれども、それではなにも改善しません。私たちはつねに、ポジティブな姿勢を維持できるように自分を日ごろから律しなければいけないのです。(58ページより)

自分の気分をコントロールする

周囲の誰かに対し、「きょうは朝から気分が悪い」などと口にしたことはないでしょうか?

たしかに、誰でも気分が悪いことはあるものです。だから人に伝えたくもなるのでしょうが、自分の気分は自分次第でなんとかすることができるものでもあります。

少し考えてみましょう。

人生の大半は予測不可能であり、自分の力ではどうしようもありません。たとえば天気や景気がそうです。けれども、私たちはみな自分の気分をコントロールすることができます。気分とは自分の心の持ち方の反映です。(60ページより)

でも、どうやって自分の気分をコントロールすればいいのでしょうか? それは、減量や昇進などの目標を達成する方法と変わらないのだと著者はいいます。なぜなら、規律に従い、目標に向かって努力すればいいだけだから。しかもそれは、ポジティブな姿勢を身につけるための訓練にもなるはず。

たとえば職場の誰かから「調子はどう?」と聞かれたとき、「すごくいいよ」と答えてみる。

そんな些細な振る舞いを重ねることが、ポジティブな姿勢へとつながっていくわけです。もちろん、いつも最高の気分でいることはできませんが、ネガティブな答え方をして、わざわざ相手を巻き添えにする必要はないのです。

私たちは朝起きた時に自分の気分を選ぶことができます。それはごく単純なことです。爽やかな気分で目覚めて、それを持続させればいいのです。その反対に朝から不機嫌でいることもできますが、そんなことでは誰からも相手にされません。(61ページより)

ただしそれは、現実を無視して毎日を能天気に過ごすべきだという意味ではありません。大切なのは、自分の置かれた状況を直視し、そのなかからポジティブな要素を見つけ出すこと。そうすれば、人生の質が大きく向上していくわけです。

意欲的な人は毎日を新しい機会ととらえ、元気いっぱいでベッドから起きて1日のスタートを切ります。彼らは目標を達成するために寸暇を惜しんで一生懸命に働きます。(61ページより)

いうまでもなく、心がけ次第で誰でもそういう人になれるということです。(60ページより)

著者がここで紹介しているのは「仕事と人生で業績をあげるための規律を確立し、自分と相手の自尊心を高め、逆境を乗り越える方法」。

新しい年のスタートに際し、本書を参考にしながら行動を起こしてみれば、目標を達成することができるようになるかもしれません。

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

メディアジーン lifehacker
2024年1月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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