20世紀初頭、キュビスム(立体派)によって美術を根底から揺るがしたパブロ・ピカソ。著者は1973年4月、パリに滞在していた。朝、行きつけのカフェで朝食をとっているときにボーイからピカソの死を知らされた。
「私にとってピカソは、単に、二十世紀絵画を代表する画家のひとりと言ってすますことが出来るような存在ではなかった」。フランス文学者、詩人、美術評論家の顔を持つ著者。さまざまに変貌を遂げ新しい美術を提示した巨人に、柔軟性のある独自の視点で迫った。月刊の美術雑誌に連載したピカソ論。(生活の友社・2000円+税)
-
2016年5月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです