『つくおき』
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【話題の本】『つくおき 週末まとめて作り置きレシピ』nozomi著
[レビュアー] 産経新聞社
■男性や高齢家庭にもニーズ
毎年膨大な数の料理レシピ本が刊行されるが、時代性や社会のニーズとピタッと合致したとき、爆発的ヒットが生まれる。今年に関しては、それが「つくおき」だった。夫と2人暮らし、システムエンジニアとして働く著者は、休日にまとめて10~15品を作り置きし、平日はそれらを組み合わせてバランスの良い食事をとっているという。そんなライフスタイルを紹介したブログ「つくおき」が人気を集め、昨秋の書籍化以来、驚異的な売れ行きを見せている。
光文社によると、発行部数は現在22刷52万3000部。今年4月刊行の続編「もっとつくおき」(11刷22万部)と合わせて74万部超と、勢いは止まらない。「最初は働く女性、共働きの女性を読者層に想定していましたが、意外に男性や高齢者など、幅広いニーズがあった」と広報担当者は語る。各出版社も続々出しており、レシピ界はいまや「作り置き」ブームだ。
健康面からも経済面からも、食事を手作りした方がよいのはわかっている。でも帰宅時間も休日もバラバラ、外食が多い共働き夫婦としては、中途半端に作っても食材を余らせるだけ…。でもそうか、「つくおき」という手があったか。(光文社・1300円+税)