女優の杏 いじめについて語る「大人になってからの意地悪は後になってわかる」

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(29)がいじめ問題を扱った書籍を紹介し、「大人になってからのいじめは後になってわかる」と語った。

■全世界で感動を呼ぶ話題作

 毎週杏さんと大倉眞一郎さんがそれぞれ一冊の本を紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。今週杏さんが紹介したのは『Wonder ワンダー』R・J・パラシオ[著](ほるぷ出版)。顔に障害を持って生まれた少年が10歳で初めて学校に通うことになる。そこで彼は「いじめ」を受ける。お話は主人公のみならず、家族、同級生からの視点でも描かれ、事態の推移とともに主人公は、周りの人はどう変わって行くのか。色々な考え方が層になって終息を迎える。数十の国で出版され累計300万部以上売れている感動的な一冊だ。

■「いじめ」を見る多層的な視点

 大倉さんのいじめられたことはある?との質問に杏さんは「大人になってからの意地悪って後になってわかるじゃないですか。あれってもしかして嫌な事を言おうと思って言ったのかなって、気づく」とやんわりと言葉で傷つけられた事があると吐露。子どもの頃はもっと直接的で、叩かれたり、カエルを頭にのせられたりしたことはあった、と語った。

 また大倉さんは小学校時代の知り合いに「大倉はいじめを見て見ぬふりをしていた」とSNS上で言われた事があるという。詳しく話を聞くと、大倉さんにとっては全く心当たりがない事が彼にとってはいじめに加担していたと映っていたようだったと語られた。大倉さんはそれを聞いて「自分では気付かないうちに他にもあったんじゃないかな」と考えるようになったという。杏さんも「良いことも悪いこともしたほうは覚えていない事が多い」とこの問題の孕む難しさを指摘した。

 杏さんは同書のなかでも主人公のお姉さんの視点で描かれた一節を新鮮に感じたという。少年は守るべき存在で、両親の愛情は彼に向かってしまう。健常者の自分はしょうがない、それに弟の事は大好き、という揺れる心の苦しみを、葛藤を吐露している。杏さんは「当事者になるとそう思うよね、構ってほしい時もあるよね」と共感をあらわした。ただ感動的な物語を紹介するというだけでなく、多層的な視点のなかから杏さんならではの読みどころを教えてくれるのもこの番組の面白さだ。

■美しい文章で綴られる辛い世界

 この日大倉さんはこちらも世界中で話題の一冊『鳥』オ・ジョンヒ[著](段々社)を紹介。韓国のドラマや映画は面白い、ならば小説だって面白いはずと感じていた大倉さん。この小説と出会いその認識を再確認したようだった。この作品は幼い姉弟が主人公で育児放棄や児童虐待をテーマとしている。辛くて悲しいテーマだが、美しく透明な文章に魅せられ「すっと読んでしまった。この仕上がりの上質さは日本人には書けない」と大倉さんは薦めた。

 また三省堂書店の内田剛さんが『ムーンナイト・ダイバー』天童荒太[著](文藝春秋)を紹介した。

 「BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

Book Bang編集部
2016年3月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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