喋りまくる伊集院光が“17音で宇宙が詠める”俳句の魅力を「ピース又吉の師匠」に聞く
テレビ・ラジオで取り上げられた本
タレントの伊集院光さん(48)が司会を務めるラジオ番組「伊集院光とらじおと」に7月25日、俳人・文筆家の堀本裕樹さん(41)が出演した。“全部喋ってしまう”伊集院さんと“17音で詠む”堀本さんの対話は大いに盛り上がった。
■俳句とは何か?
番組冒頭で伊集院さんは、堀本さんにとって俳句とは何か、と直球の質問。堀本さんはとまどいながらも「俳句は世界一短い詩。17音の短いなかに無限大の可能性が秘められている。宇宙から蟻まで詠める。短いけど器はでかい、そこが魅力であり難しさ」と答えた。
それを聞いた伊集院さんは、ほんの一文字で“ぞくぞくするようなダイナミックさ”を感じたり“ショボさ”を感じたりと変わる俳句のおかしみを指摘。堀本さんはそれに対し「短い17音のなかだからこそ響いてくる、立ちあがってくる言葉がある。5・7・5の韻律が言葉をパーンと際立たせる。そういう魔力があるんでしょうね」と俳句の魅力を語った。
■“縛り”があるからこそ“自由”が生まれる
伊集院さんはラジオ番組に送られてくる投稿で、書ける文字量に上限がある葉書と、どれだけでも書けてしまうメールとの差異や、投稿を140文字に収める必要があるTwitterなどの例をあげ、“縛り”があることで面白くなると語る。それを受け堀本さんは「“縛り”があるからこそ、そこに“自由”が生まれる」とまとめ、伊集院さんを唸らせた。
また伊集院さんは「僕はほんの些細なことを1時間喋りたい」と自分のラジオのフリートークは「全部言う」スタイルだと明かす。俳句は「全部言わない」ものなので、自分のスタイルとは対極にあるが、すごく勉強になる、とお互いのアプローチの違いを楽しんでいた。
■ピース又吉との交流
堀本さんはお笑いコンビ・ピースの又吉直樹さん(36)に雑誌の連載で2年間俳句を教えた。その講義は書籍『芸人と俳人』(集英社)としてもまとめられている。また最近では2人にカメラマンの鈴木理策さんを加えた3人で、聖地・熊野を巡った鼎談が『芸術新潮 8月号』(新潮社 7月25日発売)に掲載されている。
堀本さんはジャンルの違う2人との鼎談について「写真家は写真家の角度で来たり、芸人は芸人の視点で来たり、そのへんがすごく楽しい」と別の視点をもつ仲間との交流の楽しさを語った。
最後に堀本さんは俳句を始めてみたいという人に、季語辞典『俳句歳時記 第四版増補 夏』角川学芸出版[編](KADOKAWA)を薦めた。
「伊集院光とらじおと」月曜から木曜朝8時30分よりTBSラジオにて放送中。
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