『光と闇と色のことば辞典』山口謠司著

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光と闇と色のことば辞典

『光と闇と色のことば辞典』

著者
山口 謠司 [著]/桜井 輝子 [監修]/飯田文香 [イラスト]
出版社
エクスナレッジ
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784767831572
発売日
2023/07/18
価格
2,420円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『光と闇と色のことば辞典』山口謠司著

[レビュアー] 産経新聞社

谷崎潤一郎は随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』で薄明かりに日本の伝統美を見たし、古い白黒映画に浮かぶ光と闇の対比は今も心をひきつける。そんな光と闇、色にまつわる約1000語を厳選し紹介している。

天体や季節、宝石、火など登場する言葉の種類は多種多様。朝焼けが起きる寸前の美しさを指す「澄明(ちょうめい)」は「澄明な頭脳」という形で「閃(ひらめ)くような頭の冴(さ)え」を表現する。「水の泡やものの影」という意味の「泡影(ほうえい)」は、はかないもののたとえにも使われる。自然の情景と密接に結びついた感覚や感情表現の多さを実感する。イメージを言語化する助けになる辞典。(エクスナレッジ・2420円)

産経新聞
2023年10月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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