娘が連れてきた婚約者に反感を抱いた佐原滝郎。だが、妻の和香は意外にも好意的で、それをきっかけに夫婦間の溝が顕在化する。江沢梓乃は、夫の厚久が突然、植木職人になるため沖縄に行きたいと言い出し、戸惑う。子供や自分はどうすればいいのか―。
ハプニングに直面したり、人生の岐路に立たされたりした4組の夫婦の物語。登場する4組にはつながりがあり、それぞれの物語が次第に絡み合っていく仕掛けも楽しめる。
登場人物の「夫婦が十組いたら、十とおりのもめ方がある」「十とおりの収め方も」というセリフは納得がいく。(講談社・1980円)
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2023年11月12日 掲載
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