『父がしたこと』青山文平著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

父がしたこと

『父がしたこと』

著者
青山 文平 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784041140161
発売日
2023/12/19
価格
1,980円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『父がしたこと』青山文平著

[レビュアー] 産経新聞社

江戸後期の天保年間。目付の永井重彰は、藩主の身辺を取り仕切る小納戸頭取である父の元重から、藩主が長年患っている病について聞かされる。その手術を藩医でなく、全身麻酔を使う華岡流外科の在村医・向坂清庵に依頼し、諾を得たという。

重彰にとって向坂は、生後間もない息子の命を救ってくれた恩人だ。藩主の手術にもしものことがあれば、向坂の身も危うくなる。そこで元重は策を講じ…。

高潔を絵に描いたような武家の元重、その決断と苦悩に思いをはせる重彰。永井家の流転する運命を濃密に描いた医療時代小説。(角川書店・1980円)

産経新聞
2024年1月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク