不満に振り回される人生はもう嫌だ!小さなことにくよくよしない生き方3つのヒント

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新版 小さいことにくよくよするな!

『新版 小さいことにくよくよするな!』

著者
リチャード・カールソン [著]/小沢瑞穂 [訳]
出版社
サンマーク出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784763140982
発売日
2024/01/12
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

不満に振り回される人生はもう嫌だ!小さなことにくよくよしない生き方3つのヒント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

悪い知らせを聞いたとか、気難しい人と対面したとか、あるいはなにかに失望するなど、なんらかの「いやなこと」と直面することは誰にでもあるものです。しかし問題は、そんなときに過剰反応したり、必要以上に悲観的になってしまうことも少なくないという事実。

すると客観性を失い、否定的な考えにとらわれ、力を貸してくれそうな人たちまで遠ざけてしまい、泥沼にはまり込んでしまうことでしょう。しかし当然ながら、それでは状況はさらに悪くなっていくばかり。

だからこそ、『新版 小さいことにくよくよするな!』(リチャード・カールソン 著、小沢瑞穂 訳、サンマーク出版)の著者は、あえて気楽になるべきだと主張するのです。

人生にもっと気楽にたち向かう癖を身につければ、「なすすべもない」ような問題もなんとかなりそうに感じるようになる。ストレス源だった「一大事」にたいしても、前ほど動揺しなくなる。

幸いなことに、もう1つの生き方がある。周りの人たちともっと共感し合える、穏やかで優雅な生き方だ。その生き方とは「すぐ反応する」癖を「客観的に見る」という新しい癖と入れ替えることから始まる。(「はじめに」より)

心理学者/ストレスコンサルタントである著者は、多くの人がもっと人生とうまく折り合いをつけることができるように手助けしてきたそう。ストレス、人間関係、職場の問題、依存症、さまざまな欲求不満などの悩みを抱える人たちと一緒に、それらを解決しようと努めているわけです。

そうした実績に基づく本書は、もっと優雅に人生を送るための、しかもすぐに始められる“具体的な戦略”を紹介したもの。どれも著者が自身のクライアントとともに実践し、大きな効果を挙げたものばかりだといいます。

さて、それはどのようなものなのでしょうか? いくつかをピックアップしてみましょう。

小さいことにくよくよするな!

私たちはとかく、「少し頭を冷やせばなんとなく解決すること」について大騒ぎしがち。ちょっとした問題や細かい心配ごとに、いちいち過剰反応してしまうわけです。

たとえば、渋滞の道路でほかの車に割り込まれたとしましょう。たしかに頭にくるでしょうが、それでも気にせず放っておくべき。怒るのが当然だと思い込んでしまいそうになるかもしれませんけれど、そんなことで腹を立てるのはナンセンスなのです。なぜならそういった「小さいこと」は、日常生活のなかでひんぱんに起きるものだから。いちいち腹を立てても時間の無駄なのです。

長い行列の順番待ち、身に覚えのないことで非難される、大きな仕事をまかされる……。そんなとき、くよくよしないコツを知っていれば生き方に大きな差がつく。(21ページより)

したがって、意識してそのコツを身につけるべき。そうすれば、人にもっとやさしくすることができるようになり、寛容になれるエネルギーが増大するからです。(20ページより)

完璧な人なんて、つまらない

いまよりもっといいものを求めてばかりいると、人生は間違いなくなく負け戦に終わると著者は述べています。人は現状に満足して感謝するかわりに、なにかと欠点をほじくり出して無理やりなおそうとするもの。しかし欠点ばかり気にしていると、不満だけがふくらんでいくのです。

たとえば、散らかりっぱなしの押し入れ、車の引っかき傷、ぱっとしない仕事、なんとか減らしたい数キロぶんの体重といった身近なことや、だれかの欠点(その人の服のセンスや言動や生き方)まで含めて、悪いところばかりを見ていると、人にやさしく接するという大きな目標を見失ってしまう。(22〜23ページより)

もちろんそれは、ベストを尽くさなくていいという意味ではありません。そうではなく、人生の悪いところにとらわれすぎないようにするべきだということ。

では、どうしたらいいのでしょうか?

解決策はこうだ。

こんなはずじゃない、もっとよくなるはずだと思い込むいつものパターンに落ち込んだら、いまのままの自分でいいんだと心の中で言いきかせること。批判するのをやめれば、すべてはうまくいく。(23ページより)

人生のあらゆる場面で完璧主義を捨てられるようになれば、人生はそれ自体で完璧であるということに気づくことができます。(22ページより)

人生はただのテストにすぎない

著者のお気に入りのポスターには、「人生はテストだ。ただのテストにすぎない」と書いてあるのだそうです。それは、人生を生真面目にとらえすぎないようにとの教訓にもなっているようです。

人生とさまざまな挑戦を、テストまたはテストの連続とみなせば、直面する問題の一つひとつが自分を成長させ、パンチにたいして柔軟に身をかわすコツをつかむチャンスだと思えるようになる。問題や責任や越えられそうもないハードルの山にぶちあたっても、それをテストと思えば乗り越えられるチャンスはつねにある。(104〜105ページより)

逆に問題を戦いだとみなし、「それを乗り越えるためには是が非でも勝たなければならない」と考えたのでは、人生が苦難に満ちたものになるのは当然。

そうなると、すべてをきちんとやり遂げたときしか幸せを感じられなくなってしまうわけです。だから人生はテストだと考えるべきで、それを目先の問題に応用してみることを著者は勧めています。

たとえば、難しい年ごろの子供か要求のきつい上司がいるとする。これを「問題」視するかわりにテストだと考えてみる。やっきになって解決しようとせず、そこからなにか学べるかどうか考えよう。(105ページより)

そして、「なぜこれが私の人生に起きたのだろう? これは私の人生にとってどんな意味があるのか? これを乗り越えるためには、なにをどうすればいい? これをなんらかのテストと見なせないものか?」と自分に問いかけてみる。

そうすれば、自分の反応の変化に驚くはずだと著者。いいかえれば、あるがままの現実を柔軟に受け入れるほうが、思い悩むよりも簡単であり、よい結果に結びつくということです。(104ページより)

本書に書かれた戦略を試してみれば、穏やかに生きるための2つのルールが身につくはずだと著者は断言しています。それは、「小さいことにくよくよするな」「すべては小さいことだ」という2点。たしかにこの考え方を人生に取り込むことができれば、もっと穏やかで感情豊かな自分を育てていけるかもしれません。

Source: サンマーク出版

メディアジーン lifehacker
2024年1月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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