【書評】『天気が変えた戦国・近世の城』久保井朝美著

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城好き気象予報士とめぐる名城37 天気が変えた戦国・近世の城

『城好き気象予報士とめぐる名城37 天気が変えた戦国・近世の城』

著者
久保井 朝美 [著]
出版社
PHP研究所
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784569856490
発売日
2024/02/22
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【書評】『天気が変えた戦国・近世の城』久保井朝美著

[レビュアー] 産経新聞社

 威風堂々とした姿で、見る者を魅了する日本の城。その造形に表れる特徴を、城好きの気象予報士が天気に着目して読み解く。

 例えば、会津若松城の赤い瓦は豪雪地帯ならではの工夫。水分が染みないよう、鉄分入りの釉薬(ゆうやく)をかけて焼いた。また、格子状の模様が浮き出た海鼠(なまこ)壁は耐久性に優れ、台風などで強い風が吹く地域にみられるという。

 合戦に臨む武将たちが、霧や梅雨といった気象条件を巧みに生かした可能性も考察する。自然と共存しつつ、その脅威に対抗もする城や武将たちの姿から、歴史の新たな楽しみ方が見えてくる。(PHP研究所・1760円)

産経新聞
2024年4月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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