学校で文章の書き方を教わりましたか? 女優の杏が大人向けの「文章講義」をオススメ

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。5月15日の放送で杏さんは番組では取り上げられることが珍しいビジネス書を紹介した。

■学校で文章の書き方を教わりましたか?

 杏さんは「考えるな、感じろ、そして考えろ」と『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史健[著](講談社)を紹介。同書は現役のビジネス書ライターである古賀さんが著した文章の書き方講座。「文字だけ」で考えや気持ちを伝えるためのノウハウや哲学が語られる。著者は文章を音楽に例え、テンポや音程がバラバラだと多くの人に伝わらないと述べる。そしてLINEやメールなどでますます文章の重要性が増している昨今、一度自分のなかできちんとした文章体系を構築するべきだと説いている。

 杏さんは「国語の授業では『主人公の気持ちを述べよ』など品評が多い。作文になると『家族に優しくしようと思いました』など道徳的な内容が評価される。文章の体系は実は皆教わってきてないんじゃないか。このような文章講義は学校では得られないもの」と同書の有用性を評価した。

■番組を聞こう

 また二人は文章を書くときには客観的な視点が大事との話題から話を広げ、自分の言葉が切り取られ報道されることの怖さについても語った。杏さんは前後の文章がついていればいいのだけれど、と前置きし、報道で発言の一部だけを切り取られると「そこじゃないのにな」と感じるという。そして「ちょっとした言葉が怖い。ネットのニュースはアクセス数を稼ぐためのキャッチーな言葉なので、受け手も考えないといけないですね」と警鐘を鳴らし、大倉さんも「番組を聞いてほしい」と発言全てを聞くことが大切だと言葉を継いだ。

■五族協和は実現していたのか

 この日大倉さんは「色んな意味で腰が抜けるほど驚いた」と『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』三浦英之[著](集英社)を紹介した。同書は日中戦争のさなか旧満州にあった幻の最高学府「満州建国大学」について書かれたノンフィクション。大倉さんは日本、中国、朝鮮、モンゴル、ロシアの「五族協和」を目指して作られた同大学の崇高な理念に驚き、それが大学内で実現していたことにも驚きをあらわした。大倉さんは渾身のノンフィクションに感じ入った様子で「読むには十分すぎるくらい値する本」だと強く薦めた。

 またゲストで新訳版『風と共に去りぬ』(新潮社)が話題の翻訳家・鴻巣友季子さんが「噛めば噛むほど味が出る人生が描かれた本」として『闇の河 THE SECRET RIVER』ケイト・グレンヴィル[著](現代企画室)を紹介。八重洲ブックセンター本店の販売課リーダー平井真美さんは『よこまち余話』木内昇[著](中央公論新社)を紹介した。

 番組公式Twitter(@BOOKBAR_813)では、5月16日に双子の出産を公表した杏さんが次回の放送で、胎児の成長を記録した写真集を紹介することを予告している。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年5月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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