女優の杏 自分も演じた葛飾北斎の娘・応為を描いた作品を「日当たりの違う葉っぱ」と喩える

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。6月12日の放送ではどちらも実在の人物を題材にしたフィクションとノンフィクションを紹介した。

■北斎の娘は「江戸のレンブラント」

「一人の人物を通じて、勝手に仲良くなったような気がしました」と『眩』朝井まかて[著](新潮社)を紹介した。『眩』は葛飾北斎の娘、葛飾応為が主人公の物語。杏さんは昨年公開されたアニメ映画「百日紅」で主人公の応為(お栄)を演じていた。杏さんは自分が演じていた人物を描いている作品にはやっぱり興味があると紹介した。葛飾応為は父・北斎の絵を手伝いながら自身も作品を残し、夜闇に浮かぶ美しい光を表現し「江戸のレンブラント」ともいわれている。美人画では父親も舌を巻くほどの腕前で、寝食も忘れて画業に没頭していたことが資料などから判明している。仕事に打ち込む応為を描いた同書は現代の女性からも共感を集め、時代小説の垣根を越えて若い女性にも売れている。

■日当たりの違う2枚の葉

 杏さんは作者の朝井さんから手紙を受け取ったと告白。そこには朝井さんから「はじめてではないような気がしますね」とあったという。杏さんはお互いに応為を「自分のなかにとりこんだ者」同士共感するところがあると語った。また歴史上の人物は書き手によって描き方が違うこともあるが、2作に描かれた応為像は「同じ土の同じ木の幹、日当たりが違うから葉っぱの色が違う、しかし同じ木である」と表現し、どちらを先に楽しんでもよいと解説した。

■サンボ世界王者の壮絶な子ども時代

 大倉さんは「フィクションじゃないのが不思議なくらい」と『たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く』石村博子[著](KADOKAWA)を紹介した。同書は戦後はロシアの格闘技サンボの世界王者として知られるビクトル古賀の少年時代を描いた一作。満州に住んでいた古賀少年はコサックの母と日本人の父を持つハーフ。日本の敗戦により福岡に帰ることになるのだが、コサックの血を引いていたため、「日本人じゃないだろう」と列車に乗せてもらえず、一人で1000キロもの道のりを4ヶ月かけて歩いて帰ってくることになる。その後サンボを極め、ソ連でも英雄視されることになるのだが、大倉さんはその少年時代の古賀の生命力に「圧倒されてしまって、本当にあった話? と思うくらいびっくりした。めちゃくちゃ面白いです」と絶賛し、杏さんも是非読んでみたいと興味をひかれたようだった。

 そして今週から3週に亘り登場するゲストは『潜行 地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)が話題の姫乃たまさん(23)。姫乃さんの「感性に刺さった本」として『男の隠れ家を持ってみた』北尾トロ[著](新潮社)を紹介。また八重洲ブックセンター上大岡店の平井真美さんは『和菓子のアン』坂木司[著](光文社)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年6月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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