『大班 世界最大のマフィア・中国共産党を手玉にとった日本人』
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『大班』加藤鉱著
[レビュアー] 産経新聞社
中国に進出する日本企業のためにさまざまな仕事を請け負う日本人、千住樹(せんじゅ・たつき)が主人公。彼は仲間たちから、親愛と畏怖の念を込めて「大班(タイパン)」と呼ばれていた。リーダーという意味だ。日本の常識がまったく通用しない社会で、権力者たちと渡り合い、その懐に飛び込み、ビジネスを成功に導いていく鮮やかな手腕が描かれる。〈しょせんきれいごとだけで世の中は渡っていけはしない。中国ではなおさらだ〉。海外ビジネスのケーススタディーとしても役立ちそう。経済関係のノンフィクションを手がけてきた著者による初めての小説。(集英社・1600円+税)