はじまりは、MTG(マジック:ザ・ギャザリング) 『マジックイーター(1)、(2)』著者新刊エッセイ 飛びかかる幸運

エッセイ

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マジックイーター1

『マジックイーター1』

著者
飛びかかる幸運 [著]
出版社
光文社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784334914233
発売日
2021/08/25
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

マジックイーター2

『マジックイーター2』

著者
飛びかかる幸運 [著]
出版社
光文社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784334914295
発売日
2021/09/24
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

はじまりは、MTG 飛びかかる幸運

[レビュアー] 飛びかかる幸運(作家)

 Windowsがまだ95で、PCを起動するにも数分間の待ち時間が普通だった時代。私が初めて出会ったのは、古紙の香りが充満した、薄暗い木造の書店のカウンターにひっそりと置いてあった―テンペスト・ブロックのブースターパックだった。それを、一緒に行った友人たちとひとつずつ購入したのが始まりだ。事前情報などない状態で、初めて未知のカードを得たときの衝撃と興奮は、大人になった今でもはっきりと覚えている。まさしく魔法のカードだった。

 TCG(トレーデイングカードゲーム)の魅力は対戦とコレクションに尽きると思われがちだが、それに勝るとも劣らないのが開封の儀式だ。どの時代のパックにも、必ず当たりカードと言われるものが存在する。安いものでも数千円。時には数十、数百万円の価値が付く。云わば宝くじだ。当然、狙ったカードが当たる確率だって宝くじ並みだから、開けてがっかりすることも多い。

 だが、今の時代には、YouTubeという最強のツールがある。自分で購入せずとも動画で疑似体験ができてしまうのだ。骨董品と化した1BOX数十万円するような超高額開封や、オリジナルパック調査、昔のカードの買取査定など幅広く楽しむなら、MTG通販サイト大手『晴れる屋』社長の『トモハッピー』さんの動画が良いだろう。かくいう私も初めての開封動画は『トモハッピー』さんに捧げた。

 また、多彩な変装と毎度凝ったオープニング、豊富なMTG知識から繰り出されるうんちくを聞きながら開封を楽しみたいなら、『開封大好きよしひろ』さんの動画がお薦めだ。彼はよく爆死するので、事前に『よしひろ』さんの動画で予習した後に開封すると、自分が爆死した時のダメージが軽減される効果もある。もちろん、爆アド―大当たりの時もあるので、彼と一緒に一喜一憂することだって可能だ。

『マジックイーター』は、一プレイヤーがTCGの世界に転移させられたら―という想像を巡らせながら夢中で書き綴った。興味があればぜひご一読を!

光文社 小説宝石
2021年10月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

光文社

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