「つらい」「しんどい」と感じたとき、メンタルを保つための正しい対処法とは?

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「つらい」「しんどい」と感じたとき、メンタルを保つための正しい対処法とは?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

心の底から楽しいと思えなくなるとか、朝から疲れている気がするとか。あるいは、なんだか満たされないように感じるとか。

なかなかことばにしづらいことではありますが、そんな思いに悩まされることは決して少なくないはず。

そうした心のもやもや、ぐるぐると再生される後悔、ふとした瞬間にふくらむ焦りや不安、やり場のないイライラなど、我慢や不満、焦りや不安が複雑に絡み合って「しんどい」ができあがります。

この本は、そんな「しんどい」を抱えているあなたに向けて書きました。(「はじめに」より)

こう語る『あなたの「しんどい」をほぐす本』(Poche 著、KADOKAWA)の著者は10年以上、精神科クリニックに併設されたカウンセリングルームで心理カウンセラーとして勤務した実績の持ち主。独立後の現在は、人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動しているそうです。

なお、そうした経験に基づいて実感していることがあるようです。しんどいと感じる人は真面目で素直な心の持ち主だったり、疲れていても相手を放っておけないやさしい人だったり、「相手にどう思われているのか」が気になってしまうようなタイプが多いというのです。

したがって本書も、「がんばらずに読めること」を主眼としているそう。「読み始めたんだから最後まで読まなければ」と自分を追い込む必要はなく、読むのがしんどくなったら本を閉じてもかまわないというわけです。

しんどくなるまで頑張ってきたあなたが途中で読むのをやめられたなら、それは「できた!」です。(「はじめに」より)

こうした考え方を軸とした本書のなかから、きょうは第5章「明日からちょっぴり前向きになれる考え方」に焦点を当ててみたいと思います。

「つらい」「しんどい」と思っていい

誰かに「つらい」と打ち明けてみた結果、「私のほうがつらい」という答えが返ってくることもあるかもしれません。同じように「しんどい」と打ち明けたら、「みんながんばっている」「しんどいのはみんな一緒」といわれてしまうケースもあることでしょう。

それは、避けられないことなのかもしれません。しかしそれでも、「みんながんばってる」「もっとつらい人がいる」「これくらいのことで……」などと自分を追い込む必要はないと著者は断言しています。

なぜなら、つらさやしんどさは誰ともくらべることができないものだから。

つらいものはつらいし、しんどいものはしんどいわけです。ましてや「楽しい」と思うのはよくて、「つらい」と思うのがダメだなどということもありません。「大丈夫」というのはよくて、「しんどい」というのはダメだなどということもないわけです。

そもそも「つらい」「しんどい」という感情は、危機に対応するために備わっているもの。「つらい」があるから、嫌な人と離れようと思うことができ、自分の心を傷つける環境から去ろうと思えるのです。

逆につらいと感じられなくなったら、自分の心身を傷つけてしまうような環境にとどまってしまうことになるかもしれません。また、体に限界が来るまで「心が傷つけられていた」ということに気づくこともできないでしょう。

だから「つらい」と思っていいし、「つらい」をちゃんと感じた方がいいです。

「しんどい」があるから、限界に気づけます。

「しんどいと思うのは甘えでは……」と悩む人もいますが、そうではありません。本当に甘えていたら、「甘えでは」とは思えません。そう悩む時点であなたは、相当頑張り屋さんです。(137〜138ページより)

しんどいと感じるほどがんばったのだから、遠慮せず誰かに頼ったりお願いしたり、堂々と休んでいいということ。

つまり、「つらい」「しんどい」は自分を守るために必要な感情なのです。(136ページより)

焦らないほうがうまくいく

時間に追われてしまうなど、日常生活において、焦ってしまうことはよくあるもの。しかし、焦ると脳の働きが低下し、思考力や判断力が落ちてしまうと著者は指摘しています。

焦りの判断が焦りの行動につながり、ますます焦りを生む……そんな負の連鎖が続いてしまうわけです。

だから、何かあったときこそ焦らないでおきましょう。

焦らない方が、うまくいきます。(中略)

失敗したときも、焦らないこと。

「どうしよう、どうしよう」と焦れば焦るほど、ますます不安は膨らんでパニック状態になってしまいます。まずは3回、ゆっくり深呼吸。数分間ゆっくり呼吸したところで、状況は悪化しませんから。(145ページより)

むしろ焦るときこと大切なのは、「どうしよう」ではなく、「どうしたらいいのだろう」と考えてみること。脳にはわからないことを解決しようとするクセがあるため、「どうしたら」と考えれば、よりよい方法が見つかるのだそうです。

ただし、私たちの脳は禁止や命令が嫌いです。

「押すな」と言われれば押してみたくなるし、「見てはいけない」と言われれば気になって見たくなるし、「ダイエット中だから食べちゃダメ」と思うほどに食べたくなるものです。

だからこそ、「焦らない!」よりも「落ち着こう」、「焦っちゃダメ」ではなくて「焦らない方がうまくいく」と思ってみてください。(146ページより)

つまりは無理をするのではなく、脳のクセをうまく利用してしまうことがポイントであるようです。(144ページより)

テーマごとに内容が完結しているため、気になるところから読んでみることも可能。気楽に読めるからこそ、本書は「しんどい」と感じている人の支えになってくれるかもしれません。

Source: KADOKAWA

メディアジーン lifehacker
2023年1月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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