【気になる!】文庫『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』今枝由郎・海老原志穂編訳

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【気になる!】文庫『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』今枝由郎・海老原志穂編訳

[レビュアー] 産経新聞社

チベットの最高権威であるダライ・ラマの恋愛詩とは、何ともスキャンダラスな響きである。ダライ・ラマ6世(1683~1706年)は還俗(げんぞく)して恋に明け暮れ、23歳で短い生涯を終えた。処刑されたとも病死したともいわれる。14世を数えるダライ・ラマの中でも「最も特異」だそう。

100編を収録。チベット文学に恋愛というテーマがなかった時代、多くは6世の名を使って誰かが詠んだ「詠み人知らず」とみられ、現在もチベットの人々に愛唱されているという。若者の熱情がみずみずしい言葉でつづられている。(岩波文庫・550円)

産経新聞
2023年3月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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