【気になる!】文庫『新版 幻想の中世』J・バルトルシャイティス著、西野嘉章訳

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【気になる!】文庫『新版 幻想の中世』J・バルトルシャイティス著、西野嘉章訳

[レビュアー] 産経新聞社

異形の怪物や鬼神、生者が骸骨と踊るモチーフ「死の舞踏」…。中世ゴシック美術(12世紀中頃~15世紀頃)が奇怪なイメージにあふれているのはなぜか。

西洋のイメージ群がアジアや中東など東方の珍奇なイメージと交配して形成されるさまを、豊富な図版とともに解き明かしている。例えば、コウモリの翼を生やした悪魔のイメージが定着したのは13世紀後半。東方の遊牧民が勢力を拡大し、西洋へ流入したことと関係があるという。

リトアニア出身の仏美術史家が東西交渉を追った奇想の図像博物誌を復刊。(平凡社ライブラリー・2640円)

産経新聞
2023年9月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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