『ミステリースクール』講談社編
[レビュアー] 産経新聞社
古今東西のミステリーの名作約200編を紹介する。SNS(交流サイト)上の会員制読書クラブでの連載を基にした一冊だ。
古典、本格、社会派、冒険などのテーマごとに、13人の読み巧者たちが代表的な作品を選んで解説。「警察小説」という項目一つとっても作風の幅は広い。米作家エド・マクベインの「87分署」シリーズのように刑事たちの人生模様がにじむ群像劇がある一方、横山秀夫の『陰の季節』のように捜査に直接関わらない管理部門の人間を主役にした物語もある。
ミステリーというジャンルの歴史と現在がよく伝わってくる読書ガイド。(講談社・3850円)