『ふゆのあとには はるがきます』
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【児童書】『ふゆのあとにははるがきます』石井睦美文、あべ弘士絵
[レビュアー] 産経新聞社
ユキムシが飛ぶと、まもなく初雪が降った。夜が明け、雪に覆われた街や森はとても静か。子供たちは心躍らせ、大人たちは雪かきに大忙し。降っては積もり、また降り積もる雪。そんな北国にも、やがて春の兆しが…。
児童文学作家の石井睦美さんはコロナ禍にあって、かつて北海道の人から聞いた春を告げる自然現象のことを思い出した。その現象をモチーフに、北海道在住の絵本作家、あべ弘士さんが味わい深い雪景色を描いた。
コロナ禍も長い夜も、いつかは明ける。書名のとおり「冬のあとには春がくると伝えたい」という作者の思いがあふれる一冊。(アリス館・1650円)