『比嘉正子 GHQに勝った愛』
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『比嘉正子 GHQに勝った愛』井上昌子著
[レビュアー] 産経新聞社
「子供たちにお米をください」
食糧難にあえぐ終戦直後、連合国軍総司令部(GHQ)に果敢に乗り込み、直談判した女性がいた。保育事業や消費者運動の先駆者として、戦前から戦後を駆け抜けた比嘉正子(1905~92年)。本著は、大阪を拠点に活動した彼女の生涯に光を当てる評伝だ。
沖縄に生まれ、神学校への入学を機に大阪へ。戦前から青空保育園を開設するなど、保育の現場で活動した。終戦間際には最愛の子供2人を立て続けに亡くす試練に見舞われるが、活動への意欲は尽きることがなかった。口癖は「子供は国の宝だよ」だったという。(都島友の会・2000円)