【児童書】『そうじきのなかのボンボン』加藤絢子作・絵
[レビュアー] 産経新聞社
古い掃除機の中で暮らすのはボンボンとボンボンパパ。パパは掃除機が吸い込んだ「おもしろいもの」を使い、ボンボンのために縫いぐるみを作ったり影絵芝居をしたり。掃除機が使われると、中は風でしっちゃかめっちゃかに。2人はまたおもしろいものを探す。でも、ついに掃除機が壊れ―。
掃除機の中をモノクロームで表現した絵が味わい深い。暗闇に積み重なったごみは形が強調され、美しい世界に見える。光と影がボンボンとパパの表情を浮かび上がらせる。2人を上から見下ろす構図や2人の視線の描き方に奥行きを感じる。対象は4歳から小1。(フレーベル館・1595円)